第1264回
韓国のキムチ安全保障問題

日本は中国のレアアース禁輸措置によって
工業生産ストップの危機に陥っていますが、
お隣の韓国は中国からの白菜の緊急輸入で
キムチ切れから救われることになりそうです。

韓国の食卓に欠かせないキムチ。
元々韓国はキムチの原料となる白菜を自給していたのですが、
今年は大雨や台風などの異常気象の影響で、
収穫量は例年の40%ほどしかなかったのだそうです。
このため、品不足により白菜の価格が高騰、
この状態を緩和するために韓国政府は
中国から白菜100トンを緊急輸入する措置を取りました。

中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は
「中国が韓国を白菜危機から救う救世主となる」
という記事を掲載して鼻高々ですが、韓国国民からは
「中国産の白菜でキムチを作って、本当に大丈夫か?」
という不安の声が上がっているようです。

この背景には、2005年、
韓国に輸出された中国産キムチから
寄生虫の卵が見つかった事件があります。
その後、中国政府も韓国から輸入したキムチから
寄生虫の卵が発見されたと発表し、
中韓両国の間で「キムチ戦争」と呼ばれる
摩擦にまで発展しました。

今回、韓国国民から中国産白菜の品質を
不安視する声が上がっていることについて、
中国の韓国問題専門家は「韓国国民は中国の白菜か、
白菜無しのキムチかの選択を迫られている。
しかし、多くの人は感情よりも食欲を選ぶはずだ」
と分析しています。

今のところ、冷静な大人の反応を示している中国。
しかし、せっかく白菜を緊急輸出して、
キムチ切れから韓国国民を救ってあげようとしているのに、
当の韓国国民から「中国の白菜は危ないんじゃないか?」
などという声が上がり続けるようであれば、
「第二次キムチ戦争」が勃発する可能性も否めません。

日本人の私としては、白菜が足りなかったら、
大根を使ったカクトゥギや、
キュウリを使ったオイギムチを
食べればよいのではないかとも思うのですが、
キムチの本場・韓国の人たちにとっては
そういう問題ではないのでしょう。

キムチが切れたら暴動でも起こりそうな雰囲気の韓国。
韓国政府は日本のレアアース同様、
国内情勢安定のためにもキムチの国家備蓄を
検討する必要があるのかもしれません。


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2010年11月15日(月)

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