第1320回
中国でヨード剤と食塩売り切れ続出!

日本では東日本大震災の後、
福島原発が予断を許さない状況となっておりますが、
これは中国のテレビや新聞でも連日大きく報道され、
中国では既にパニック状態に陥る人が現れています。

今、北京や上海の多くの薬局では
ヨード剤の売り切れが続出しているそうです。
福島原発の放射能漏れによる人体への悪影響を抑制するために、
日本政府が周辺住民にヨード剤を配布した、という報道を受け、
中国でもヨード剤を求めて薬局に走る人が増えているためです。

この動きを受けて、深セン株式市場では、
傘下にヨード関連品メーカーを持つ中関村科技発展と、
ヨウ化カリウムを生産する天津力生製薬の株価が
大きく上昇しているそうです。

これに対し中国被爆防止研究院は
「短期間でヨード剤を過度に摂取すると、
健康を害する恐れがある」と警告し、
ヨード剤の濫用を戒めています。
ヨード剤には甲状腺の腫れを起こすなどの副作用があり、
腎臓の機能に障害がある人や妊婦が服用すると
特にリスクが高いのだそうです。

また、中国各地では福島原発の放射能漏れ事故で
海水が汚染されるのではないかと恐れた市民が、
食塩を買い占める現象が起きています。
北京市内のスーパーでも買い物客が
食塩売場に殺到しましたが既に売り切れ、
仕方なく醤油を買い込む人も出ているようです。

私も北京市内のスーパーやコンビニに行ってみましたが、
食塩売場の棚だけが見事にカラになっていました。

この食塩の買い占め現象は、
浙江省などで食塩が売り切れた、
という情報がインターネットなどを通じて出回り全国に拡大、
東日本大震災前に製造された
被爆の可能性のない食塩を買おう、
と考えた人たちが買い占めに走っているようです。

中国政府は「中国国内に放射能漏れの影響はありません」、
「中国には食塩の備蓄は十分にありますので、
パニックに陥る必要はありません」
と冷静な対応を呼びかけています。
しかし、中国政府には2003年に情報を隠蔽して
新型肺炎(SARS)を大流行させた「前科」がありますので、
中国政府の検閲が入るテレビや新聞の報道よりも、
インターネット上の個人が発信した情報の方を信じる人が多く、
こうしたパニックが起こりやすい環境になっています。

今回の東日本大震災後の日本人の冷静な対応は、
中国のみならず全世界の称賛を集めていますが、
当事者である日本人が冷静に対応しているのに、
海を隔てた中国に住んでいる中国人が
パニックに陥っているのを見ると、
もし今後、中国国内で原発事故が発生して、
彼らが当事者となったらどんな大パニックが起こるのか
そら恐ろしい気がします。

情報を隠蔽し続けて
「自分の身は自分で守らねば」という意識を
国民に植え付けてしまった中国政府にも責任の一端はありますが、
中国のみなさんにはインターネット上の
無責任な情報に惑わされないように、
冷静な対応をお願いしたいと思います。

 





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2011年3月23日(水)

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