第1385回
希望小学校に見た豊かになる中国の農村

先日私は、毎年楽しみにしている
希望小学校の通訳ボランティアに行ってきました。

これは北京日本人学校の先生方が、
夏休みの期間中に、
希望小学校に行ってボランティア授業をされる際に、
日本人の先生方と希望小学校の生徒たちの間の
通訳をするボランティア活動です。

この希望小学校は1997年に
北京日本人会が河北省承徳の農村に建てたものです。


私は2007年に初めて通訳ボランティアとして参加してから、
北京オリンピック開幕直前で中止となった2008年を除いて
毎年この学校に行っており、今年で4回目となります。

4年前は小学生だった子供が卒業生として来ており、
「この9月からは高校に通います」と報告してくれたときには、
時の流れの速さに驚くと共に、
子供たちの成長を我が子の成長のようにうれしく思いました。

今回、希望小学校を訪問して感じたのは、
中国の高度経済成長による豊かさの波が、
承徳の農村にも確実に来ている、ということです。

まず子供たちの服装が以前と比べて明らかに垢抜けて、
色彩も明るくなっていました。
また、以前は3日間、毎日同じ服を着てくる
「着たきりすずめ」の子が多かったため、
服の色とデザインで子供を特定することができたのですが、
今回は多くの子供たちが毎日違う服に着替えてきたため、
服装で覚えることができなくなってしまいました。

2007年7月

2011年7月

教室内の雰囲気も以前と比べて格段に明るくなっており、
以前教室内に貼られていた雷峰(れいふぉん)のポスターも、
「老師辛苦了(らおししんくーら、先生ご苦労様)」という
日本アニメ風のポスターに変わっていました。

2007年7月

2011年7月

14年前、
希望小学校が建設されるぐらいの貧困地域だったこの村も、
今では貧困地域とは呼べないぐらい豊かになってきています。
子供たちに将来の夢を訊いても、
「大学に行って勉強したい」とか、
「将来はエンジニアになりたい」などなど、
貧乏な農民の子は貧乏な農民になるしかなかった
一昔前とは違って、
自由に大きな夢を描けるようになっています。

希望小学校での3日間は、
高度経済成長の恩恵を受けてどんどん豊かになっていく
中国の農村を実感する3日間でした。


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2011年8月22日(月)

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