第1491回
中国ネット販売、今年の注目点

中国ネット販売業界の今年の注目点は、
何と言ってもスマホ対応です。

高機能携帯電話・スマートフォン、通称スマホ。
中国では智能手机(ぢーのんしょうじー)と呼ばれています。
世界的な大ヒットとなっているiPhoneは
5000元(6万5,000円)前後と高額ですが、
中国メーカーや韓国のサムスンの製品では、
1000元(1万3,000円)を下回るものも出てきており、
今年は中国でスマホが爆発的に普及することが
予想されています。

最近は北京の街でも、淘宝網の
手机淘宝(しょうじーたおばお、携帯電話淘宝)の広告を
よく見るようになってきました。
「あなたのスマホに手机淘宝のアプリをダウンロードして、
スマホでネットショッピングを楽しんでください」
ということです。

では、スマホの普及は
中国のネット販売にどういう影響を与えるのか?

まず、ネット販売のユーザーの裾野が
大きく広がることが予想されます。
従来のネット販売のユーザーは、
パソコンを使ってお買い物をしていました。
しかし、スマホが普及すれば、
「パソコンは持っていないがスマホは持っている」
という人たちが新たにネットショッピングを
始めるようになります。

また、インターネットが来ていない農村でも、
携帯電話が使える場所であれば
スマホを使ってネット接続ができますので、
そうした農村の人たちも
新たなユーザーになることでしょう。

更に、パソコンとスマホの最大の違いは、
その携帯性にあります。
ユーザーはやろうと思えば、
スマホを持ってデパートに行き、
商品を試着したり、試しに使ったりして気に入れば、
品名や型番をスマホに入力して検索し、
同じモノがデパートより安く売られていれば、
デパートでは買わずに
その場でネットでオーダーすることもできるのです。

デパートの経営者からすれば、
「うちは他人の店のためのショールームじゃない!」
と怒りたくなるところでしょうが、
実店舗というカネのかかる販売方法が、
既に時代遅れになりつつあるのですから、
それはもう仕方がありません。

また、カフェで友達と話をしていて、
話題に上がった商品を、
ポケットから出したスマホでサクッと検索して
その場で買う、などという使い方もできます。
「家に帰ってパソコンを立ち上げる」という
面倒な手順が挟まらない分、
ネットショッピングがより手軽に、
より身近になることでしょう。

どんどん多様化する中国のネット販売。
今後もより多くの人たちに、
より手軽に利用してもらえる方向に、
更なる進化を続けていくものと思われます。





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2012年4月23日(月)

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