■柳田洋・北京からの画像便り No.267
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鬼街
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北京の東二環路の内側、東直門から北新橋に至る
1.5kmほどの飲食店街を、
人は「鬼街(ぐいじえ)」と呼びます。
「ぐい」は正式には竹かんむりの下に艮、そして
更にその下に皿、という難しい漢字を書くのですが、
この飲食店街、深夜まで営業している店が多く、
夜中の12時を回っても、幽霊(中国語では鬼)のように
ウロウロしている人がたくさんいるので、
発音が同じ「鬼」の字が当てられているようです。
「鬼街」にあるレストランは、大部分が「火鍋(ほーぐぉ)」、
「麻辣湯(まーらーたん)」などの、いわゆるB級グルメ。
数年前に流行った「小龍蝦(しゃおろんしゃー、
ザリガニ)」や、「鴨孛子(やーぼーず、鴨の首)」も
この街から北京全体に広がって行ったように思います。
「鬼街」のレストランは、お店は汚いですが、
安くてたらふく食べられる庶民のつよーい味方なのです。
しかし、「鬼街」は東二環路内側という超一等地。
東京で言えば、麻布十番みたいなところに、
庶民向けの安い飲食店街があるわけですから、
再開発の対象になるのは時間の問題です。
今後北京の再開発は従来の「点」の開発から、
「面」の開発に移り、「鬼街」のような一等地に
取り残された庶民の街は取り壊され、
貧乏人はどんどん郊外に追いやられていくのです。
撮影日:2007年11月23日(金)
撮影:柳田洋
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