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3. 先生との出会い=200万円なり(2)

“1講演約100万円?”
間違えているかも知れませんが、
私が先生の講演料について風の噂に聞いた金額でした。
(真相については先生に確認しておりませんが。)
そこで私が考えたのは、
「10分約15万円だし、お忙しい先生だから、
おそらく30万円(=20分)が限度だろうな。」
と変な計算を先にし、渋谷の邱永漢事務所に着いたのでした。

コートを脱ぎ、エレベーターをあがったすぐそこが事務所でした。
先生の応接室に座り5分もすると、先生がゆっくりと入ってこられました。
「あなたがキムくん?」と聞かれると早速お話をされはじめました。

結果、200万円=2時間の間、ホテルの話、コーヒーの話、イトーヨーカドーの話、
ありとあらゆる話をされ、ぐいぐいと先生の話に引き込まれ、
自分のことを紹介する間もなく、あっという間に2時間が過ぎました。
すると最後にふと沈黙が訪れ、先生はぼそっと
「まあ、君ならできるかも知れんな。」とつぶやかれたのでした。

正直に言うと、2時間のあいだ合計2分も話す時間のなかった私は、
どうやってそう判断されたのか不思議で仕方なかったのですが、
その後先生は
「まっ、もし本気なら現地みてらっしゃい。」
とおっしゃったので、迷うことなく
「それでは、来週にでも見てまいります。」と答えました。
もちろん、当時はサラリーマンですから、
そんなに簡単に時間の都合をつけられるわけでもないのですが、
そこにチャンスがあるのであれば、つかまない手はない。
そのあと、
「先生は次回いつ成都に入られますか?」と聞いたところ
「しばらく行く予定はないね…。」とちょっとそっけない答えだったので、
忙しい先生の手を煩わせることもないと思い、
「では一人で見てまいります。」と答えたところ、
先生は軽く天井を見上げ、胸の中から手帳を取り出され
「・・・。2月25日だったら一緒に言ってあげてもいいな。」と答えられたので
「では2月25日にご同行させてください。」と即答したのでした。

その後、秘書の方をお呼びになり、
スケジュールの調整と今後の連絡先等を伝えられ終了したのでした。

外に出ると一月の少し冷たい風が、私の紅潮した頬に気持ちよく感じられました。


2007年4月9日(月) <<前へ  次へ>>