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80. 手を組む相手で人生まで変わる 〜新規事業成功のツボ(2/5)〜

新規事業を検討するときのツボの2番目は、
「誰と手を組むのか?」です。

1) BigWave(いい波)       
2) GoodTeam(チームワーク) ← 「本日のテーマ」
3) Only One (差別化・独自性)
4) Profit Structure(儲けの構造)
5) Good Heart (心)

前回の、時代にあった事業を選べというのは、
言い換えれば事業アイディアのことです。
しかし、よく言われることですが、
自分が考え付くことは、いくら自分で世紀の大発見だと思っても、
誰かがかならず考え付いていることです。

この点からすると、
事業は実は人間ありきの側面もかなり強いものです。
例えば、我々邱永漢グループでは、
机上の空論として事業を検討して始めるようなことはありません。
まず“はじめに人ありき”なのです。

ここで言う「人」とは2種類のことを言っています。

まずは、会社内部の「人」、つまり従業員です。
これは、以前にも書きましたが、
会社というバスに誰を乗せ、誰をおろすのか、
という選択のことです。

そして、もうひとつの「人」とは、
共同経営者であったり、投資家といった外の「人」です。
実は私、昔この種類の「人」、
事業パートナー選びに失敗したばかりに
えらい目にあったことがあります。

今だから言えることですが、
昔、私が28歳の頃、200万円ほどのお金を用意して
友人と一緒に足ツボマッサージ屋をやったことがあります。

この時のパートナーが、
昔私が中国の大連で留学していた際の中国人の友人でした。
この友人が日本に留学に来た後事業をやりたいというので、
私に相談し、
当時新米コンサルタントとして自分の力を過信していた私は、
「よし、いっちょう自分の優秀性を事業で証明してみせよう。」
と息巻いてはじめたのです。

ところで、この友人が連れてきた
さらに別の二人の中国人の友人と合計4人で
共同出資者として事業を開始したのですが、
これが後々大変な問題を引き起こしたのでした。

結論として、事業が行き詰ったとき、
4人の出資パートナーは20代の人間としては、
それなりに大金であった合計1000万弱のお金を
ドブに捨てたことになったわけですが、
急に最後の二人の友人が、
当時コンサルティング会社に勤め定収入のあった私に
賠償を求めてきたのです。
当然、断ったわけですが・・・。

「悪い状況はたいていもっと悪くなる」

とはよく言ったもので、
その二人の友人というのが
不法滞在の労働者であったと知ったのはそれからのことです。
つまり、彼らはそもそも不法な存在なので、
不法なことを恐れないのです。

その後彼らは、その賠償請求権を
別の中国人のヤクザの友人に売ったと通知してきました。
そもそもそんな賠償請求権など冗談にもならない話なのですが、
私はこうして、
中国人のヤクザの連中に脅しを受けることになりました。

具体的な内容は、
読者の皆さんを怖がらせることになりますので書きませんが、
それはまあ、恐ろしい体験をしましたし、
日本の警察がいかにあてにならないかも実感しました。

この件が最終的に解決された後、
私は、自分のあまりに愚かだった事業開始判断を、
それはそれは反省して、
そのときの学びをしっかりと心に刻んだのでした。

事業が失敗して裏切られてもそれでも後悔しないパートナーを選べ

自分の大切なお金、時間、
そして様々なリスクをかけた事業をするときは、
二度といいかげんな人間と手を組むまいと。

事実として、事業のほとんどは失敗に終るものです。
その時のことを踏まえて、事業というのははじめるべきです。
生まれる前に、
死んだ時のことを考えるようでなんか変ですが・・・。


2008年9月29日(月) <<前へ  次へ>>