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117. おいしいビールができました

少し前にこのコラムで「ビールを造ってくれる人いませんか?」と
募集をしましたが、実は、できちゃいました、ビール。

自分で言うのもなんですが、
日本人の目から見てもおいしいビールになりました。

作り手を探すのが一苦労でしたが、
ドイツに留学経験もあるマイスターを(運のいいことに)探し当て、
口説き落としました。

醸造期間を20日に設定しましたので、
ピカピカの設備が届いた後、
まずは簡単な手入れと大きなステンレスの筒の内側に
特殊な保護処理をしてビールを作り始めた時は、
20日が待ち切れなかったものです。

15日目にあまりに待ちきれなくて少しだけ試飲した時、
「あ〜、こりゃいけるわ。」と思いました。
マイスターいわく「あと5日でもっと美味しくなりますよ。」
とのことでしたので、さらに期待して待ちました。

20日を過ぎてからは、親しい友人たちにビールを振る舞い、
改めて顧客の反応を確認しました。間違いありませんでした。

“おいしいビールができた”

悩ましかったのは、(いつものことですが)値段の設定でした。
成都には、ケンピンスキーというホテルの一回に、
「ポラーナ」というドイツビール専門店が1件
(唯一おいしいビールが飲める場所として)あります。
しかしまあ、そこのビールの高さと言ったら、
東京のTHB(トウキョーハーバーブルワリー)
ぐらい高い値段で、私も一回しか行ったことがありません。
それぐらい高いのです。

そこで、友人や社内の人間の意見を聞きながら、
そして、自分が消費者として受け入れられる価格をじっくりと考えて、
その「ポラーナ」の半額に設定しました。

私はいつもそうですが、価格設定をするときには、
あまりコストを見ません。
あくまで一顧客として
「これぐらいのうまさのものだったらいくら出せるかな〜?」
という皮膚感覚で決めます。
だから、時に、やたらと原価率の高い商品ができたり、
逆に利益率の高い商品ができたりします。

話が飛ぶようですが、最近、私の仕事の使命は
「中国への新しい食文化の紹介」じゃないかなと思うことがあります。
そして、私の周りの友人たちも、
私が日本や他国のおいしいものを紹介するたびに
とても喜んでくれるのを見て、私も幸せに感じます。
今回のビールをその友人たちとお客さんの顔を見て、
「幸せだな〜」と感じています。

どうぞおいしいビールを私と一緒に飲みに来てください。
一緒に付き合いますよ。


2009年6月22日(月)

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