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160. 経営者はカンで成功しカンで失敗する

一般論ですが、経営がうまくいくと
だんだん経営者は自分自身の経験と感覚を信じるようになります。

経営も最初の数年はおっかなびっくりでやっているので、
何が正しくて、正しくないのかはわからないまま
なんとか進んでいき、後少したつと
徐々に安心感がますようになっていきます。

よく、経営と車の運転は似ているもの同士として
たとえにだされますが、私も同感です。

免許取立てのころは、スピードメーターやエンジンの回転数、
また温度計などあらゆる計器に注意して、
サイドミラー、バックミラー、そして、目視を忘れずに運転します。

ところが、少し慣れてくると、
こういった計器類にあまり注意を払うことがなくなり、
さらに怠慢になってくると、
教習所で必ずするようにといわれた目視もだんだんしなくなります。

交通事故の統計を少し調べてみると、
交通事故と運転免許取得年数の関係においては、
取得後10年以降の交通事故の発生確率が
全体の60%を超えているそうです。

運転は慣れたころに事故をする

そしてきっと

経営も慣れたころに事故をする

最近いろんな経営判断をするのに
詳細なデータを見ないことが増えてきました。
それは、いろいろなデータが頭にはいっていて、
昔ほど詳細に見なくてもわかることと、
市場の動き(お客さんの心理)が
ある程度想像できるようになってきたからです。

そんな自分を評して
「最近市場の心が良く理解できるようになってきた」
などという自負をしていたのですが、
そんな自負に冷や水を与えてくれたのが友人の

「経営者はカンで成功し、カンで失敗する」

という言葉でした。

いけねいけねと思いなおし、カンに頼りすぎず
データや事実に基づき経営判断しようとあらためて心しました。

2010年4月19日(月)

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