トップページ > 成功の都「成都」からの便り > バックナンバー

   毎週月曜日更新
173. 私には家がない

中国に住み始めて6年目ですが、
最近日本に帰るといつもお客さんになったような気がします。
自分のふるさとに帰ってきた気がしません。

飛行機を降りた瞬間から、
日本の空気を観光客のような視点で楽しみ、
日本の衛生環境の良さ、売店の人の態度のよさ、
そんなことがいちいち眼に留まります。

前回台湾に行ったときも、そんな眼で街や人を眺めました。

不思議なもので、今のホームベースを構える成都に戻ってきても
帰ってきた日は特にそんな感覚に襲われることがあります。

成都という今住んでいる町を、まるで観光客のように眺める・・・。

そこで思ったのは、自分の身の回りの環境を
こうやって新鮮な視点でみることの大切さです。

何回か書いていますが、我々中国移住組(!?)にとっては、
1年に数回日本に帰り、
中国の悪しき習慣というか感覚というものを
クリーニングする必要があります。
(別に、日本にも悪しき習慣はありますので、
中国を悪く言っているわけではありません。悪しからず)
日本に行ったら日本のいいところを積極的に感じることが、
完全に中国化しないために必要です。
これは引いては、
「日本人にしか出来ないことをやれ」という師匠の教えを
長期的にやっていくために必要な作業です。

少し脱線しましたが、今回言いたかったことは、
“自分のホームをなくしてみる”
つまり、どこにいても新鮮か感覚と好奇心を保つこと、
特に自分の普段いる環境
(自分の生活環境や組織環境あらゆる意味を含めて)に対しても
新鮮さを保ち、既に根付いてしまった
自分の周りのおかしさや問題に敏感になり、即それを改めていく。
そんなことが自分にも大切だなと思ったのです。

「私には家がない」というのは、
普段というありふれた環境に
自分を過度になれさせてはいけないという
自己警笛の意味をこめています。


2010年7月19日(月)

<<前へ  次へ>>