トップページ > 成功の都「成都」からの便り > バックナンバー

   毎週月曜日更新

229.レストランというビジネス(3)

これまで上物としとてのレストランを開発する際に
何を考えるべきか?
を考えて来ましたが、最後は履物としての不動産の乗り方です。

不動産に乗るには、2つの方向性から考えることができる。
借りて乗る、買って乗る、2つ。

借りて乗る場合は、数回前に書いたように、
個人オーナーを避けるとか、
なるべくパーセンテージでやるとか、
そんなことを気をつけなければならない。

買う場合だが、こいつも2通りある。
自分で買う、他人に買ってもらう。
自分で買うというのは、まあいわゆるマクドナルドモデルで、
上物のコンテンツさえ安定した集客力があれば、
それを利用して不動産事業を展開するというやり方。

他人に買ってもらうというのは、
例えば不動産ファンドや、もしかしたら
個人投資家などにある種のサービスを提供するというやり方。
簡単にいうと、こちらは(相手から見て)
取りっぱぐれのない安定したテナントをやり、
相手は土地と建物を安定供給するというやり方。

不動産をやる人の一番の悩みは、
自分が作った箱の中に入れる中身(コンテンツ)を
安定的に確保できるかどうか。
商業施設であれば、全体の集客力に影響するし
家賃にももちろん影響する。
また、不動産管理の一番のリスクは、
家賃の取りっぱぐれと空き室コスト。

中国では、家賃の契約に至るのに数ヶ月の時間を必要とし、
締結後にも内装期間の家賃を2、3ヶ月無料にするサービス期間
というのがあるわけです。
つまり、家賃収入が発生しない期間が
最低でも半年はあるわけです。

それが、万が一2・3年に一回に発生すれば、
いくら表面上の家賃を高額に設定しても
長期的にならした実質家賃が相当低くなるわけです。

こう言った状況を避けられるサービス
(=安定コンテンツの提供)をする代わりに
市況よりちょっと安い家賃を設定してもらえたら、
両者にメリットがあるというわけです。

こうする事で、5年6年と不動産市場の荒波にも耐えて行けば、
いずれ不動産価格は
まだ中国のマクロ市場から見れば上がっていくわけです。
その担保がコンテンツプロバイダー
として提供できるというわけです。

ここまで書くと、じゃあ、
不動産を自分で買ってやったほうがいい
ということになるわけですが、
私が思うに、不動産はレストランというようなビジネスとは
まったくことなるノウハウの下に走らせるビジネスであり、
儲ってきたからといって安易に手を出すビジネスではない
と思うわけです。

まあ、自分の背丈をよく理解しながらやるということですね。

『自分が何でもできると思わないこと。』

さて、次回は、まとめです。


2011年8月22日(月)

<<前へ  次へ>>