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246.他人の成長を望まないボス

ボスという生き物は結構面倒な生物でして、
放っておくとすぐに裸の王様になってしまうし、
また、独裁者暴れん坊将軍というのは、
本人は結構気持ち良いものなんです。

年末まで後2回、今年私が書き続けてきた、
組織をつくり人を創るということのおさらいをしたいと思います。

ある日、社内の会議をしながら、
出来の悪い部下を叱っていました。
あまりのアホさ加減にけちょんけちょんに叱ると、
最後はなんと
「だろ、本当におれが見てやんないと全然ダメなんだから。」
となんだか、部下の不出来と、叱る自分、
そして、自分の力が上なことを確認して
なんだかいい気になっている自分の心がおりました。

かくして私は気づいたのです。

ちょっと出来る奴はこうして、他人の不出来を喜び、
永続的に自分が必要とされる環境を作り上げる。
表面的には、自分の組織の出来の悪いことに
「やになっちゃうよ。」といいながら、
ずっと部下が育たずに
その未熟な組織が長続きすることを心のなかで望む。

これが、一見成長を望んでいながら、
心の奥底からはそれを強く望んでいない、
そこそこうまく行っちゃってる
経営者の姿の一面ではないかと思います。

そこいらのポジティブシンキングの本に
書いてあるようなことを言いますが、
私は、人が心から真剣に願うことは
叶うものだと信じている部類の人間です。

だから、部下が成長しない責任と原因はやっぱりボスにあり、
そして、自分の偽りの心と本当の気持ちをしっかりと見極める、
心より部下を育てる、
もしくは自然に育ってもらえる環境づくりをボスの責任として
まっとうするものだと心に植え付けております。


2011年12月19日(月)

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