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124. 嫌われる日本人、尊敬される日本人

先日、中国の某自動車メーカー工場で
日本人幹部の給料と工場員の給料の格差が
何十倍もあるということで、
大きなストライキが起きた事がニュースになりました。

私は高度成長する中国で自分も発展したいという意思で
3年前に中国にきました。
それで折に触れ
「中国に出稼ぎに来た」と中国の人に話しています。
しかし、中国の地方農村から「出稼ぎ」で来ている人と、
中国の日系企業の幹部として働く日本人では
給料等の待遇はずいぶん違います。
中国は市場主義を取り入れた国です。
能力の差があれば給与の格差もあってしかるべき、
というのは中国人もよく判っているはずですが、
今回はそれでも許容出来ない人情の問題が
あったんじゃないかと感じました。

外国人が海外で働くとその国の人に多かれ少なかれ
面白くないと思われるのは避けられない事です。
以前、私が日本の機械メーカーでロシア市場を担当していた時、
当時のロシアは失業率が高く、
ネオナチと呼ばれる民族主義の一味が外国人狩り
(近隣のアジア系の移民や学生が
ターゲットにされることが多かった)をしている時分でした。
人がやりたがらない仕事をする移民などの弱者が
失業中で不満のたまった民族主義の連中の
イジメ対象になっていました。
出張でモスクワに滞在中、街でスキンヘッドや
坊主と出会うたびにかなり緊張したし、
一人で出歩かないように注意していました。
どこの国にも移民問題はありますが、
不法移民の存在などもあるし、
自分の庭で外国人に仕事を奪われ、利益を独占されれば、
誰でも嬉しくないのは人情として理解できることです。

その国の雇用や利益をそのままかすめ取るだけの出稼ぎは
足を引っ張られてしまいますが、
同じ「出稼ぎ」でも
その国に雇用機会を創る出稼ぎは有り難がられます。
3年前に中国に来るにあたり、邱先生に
「中国で稼いだお金は日本に持って帰れますか?」と伺ったら、
「中国で稼いだお金は中国で使って、
日本で使いたいお金は日本で稼ぐんですよ。」
とアドバイスを頂きました。
邱先生は、私の
「人の庭で儲けて別のところに家に持って帰ろう」
という姿勢を嗜めて下さったのだなと今更ながら理解しています。

絶世健美は未だ未だ成長段階で、
高利益をあげて嫉妬を買われる立場にありませんけども、
少なくとも尊敬される日本の会社になりたいものです。

<つづく>
絶世の活動情報 : www.zessei.com


2010年6月4日

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