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131. 龍と内モンゴルの大草原

先日、友人に誘われて、
自動車で内モンゴルの州都フフホトに行って来ました。
内モンゴルは広大な草原と馬や羊、牛の放牧地帯があり、
夜はまばゆいばかりの星空が広がるところ。
7月から涼しくすごし易い気候になるので、
モンゴル族の伝統的な移動式住居のパオにも泊まれる
ベストシーズンです。


北京からフフホトは、北京と西蔵(チベット)をつなぐ
京蔵高速道路で結ばれていて、
北京から西に600キロも走ればそこは大草原です。
車を時速100キロ程度でとばせば7、8時間でつくし、
気軽に行ける場所だと高をくくっていたのですが、
大誤算だと思い知ることになりました。

北京から50キロ地点でトラックが増えだし、
ノロノロ運転になり、やがて渋滞が始まり、ついには
エンジンを止めてドライバー達が寝始めてしまいました。
渋滞の最後尾のドライバーに話しかけると、
一日前からずっとその場所にいるとのこと。
諦めずに、高速、一般道、農道まで走り、
目的地に着いたのは16時間後でした。

中国の交通ルールは日本と比べて相当ゆるやか。
例えば、渋滞に出会ったドライバーが
道を引き返す為に逆走してくる。
渋滞をノロノロ運転するのは気質に会わないのか、
その場でエンジンを止め、路上や路肩で寝たり、
行水したり、ビール!?を飲んでいる人までいました。
私たちは小回りのきく車だったので、
渋滞する高速道の停車路をゆっくり先に進みました。
そして渋滞の先端につくと驚くべきかな、
トラックドライバーが足を放り出して寝ていました。
「あと数キロ先はまた渋滞だから、ゆっくりやろうや」
とでも言いたそうに。
うとうと運転して
玉突き事故になるよりもいいかもしれませんね。

北京に帰ってから調べたところ、
内モンゴルでは高速道路の交通渋滞を防ぐべく、
大型貨物トラックは、偶数日は偶数車両ナンバー、
奇数日は奇数車両ナンバーしか走らせないという、
ナンバー規制を行っていました。
計画時点ではいいアイデアですが、
その告知が徹底されていなかったため、
事情を知らない大量のドライバー達まで内モンゴルに流れ込み、
内モンゴル手前で入境規制を受けて、高速道路、一般道も大混乱。
私たち一般ドライバーもその影響をまともに受けました。
内モンゴル行政担当者も相当に悩ましい問題でしょうね。

中国では大渋滞をその姿から「車龍」と呼ぶそうです。
草原や羊や牛の群れを見て癒されはしましたが、
内モンゴルまで永遠に続く「車龍」を見に行ったような旅でした。

<つづく>
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2010年7月23日

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