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150. 無茶せず、周りをみながら・・・

北京の運転免許試験を受けました。
日本の運転免許証があるので、交通法規の試験にとおれば
中国の運転免許証を交付してもらえます。
実は前日まで学科テストの分厚いテキストに向き合わず、
久しぶりに一夜漬けで勉強しました。
テキストの日本語訳に問題があって、
難解すぎて向き合う気にならなかったのです。

例えば、こんな正誤問題。
「車の中に、車外への投出しが避けられないと感じた時、
投出し瞬間に、急に両足を踏み出し、外への投出し力を増加して、
機に乗じて車外に飛び出す。」
答え=正しい。
「車外へ飛び出して落ちた後、両手で頭を抱いて、
勢いに乗じて慣性力の方向へ多め一段距離を転がり、
ボディーを避けて、危険区からの距離を増加するものとする。」
答え=正しい。

これは実際に試験に出たのですが、
これを一つ一つ理解しようとしていたら、
気がおかしくなってしまいます。
一夜漬けの丸暗記で乗り切りましたが、ルールは命綱です。
今は本当の意味をしりたい気持ちでいっぱいです。
多くのルールは日本と似通っていますが、
こんなルールもありました。
「飲酒運転は15日以下の拘留と免許の押収、罰金に処す。」
一発牢屋入りになる画期的なルールです。

以前、日本の教習所の教官が
「事故に遭遇するのは、免許を持っていないお年寄りや子供に多い」
と話してくれました。
自動車の運転するようになって、自動車はひとつ間違えれば
人生を狂わす恐ろしいもので、
ルール厳守と焦らない事が自分を守ると知るのですが、
自動車運転と無縁の人には、交通ルールや
ドライバーの行動原理などは判り辛いものです。

北京の道を歩いている人のほとんどが運転経験のない人です。
早いスピードで自動車が往来する主要幹線を横切る人も、
やはり運転したことがないから我が者顔。
街では交通ルールを知るひとと知らない人の闘いで、
クラクションの音がやむ事がありません。
中国に来た当初、歩行道を歩いていても
大げさなクラクションをならされるのでムッとしたものですが、
交通ルール、交通マナーが浸透する前夜の今は仕方ないこと。
「大丈夫だよ、危険信号をありがとう!」
と感謝するようにしています。

中国で仕事をするうえでも、
当たり前のルールと思っていたビジネス慣習が、
実はそうでもなくて意思疎通が出来ないこと。
その逆に中国の慣習やルールを知らずに
途方に暮れてしまうことがあります。
「無茶な運転はせずに、周りをみながら」というのは
ビジネスにも通用するルールかもしれません。

絶世の活動情報 : www.zessei.com


2010年12月3日

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