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151. 商人の価格

前回のルールや慣習を知らないと事故にあうというお話に関連して。
「中国人は商人。日本人は職人だ」と繰り返し語られていますが、
中国の方とおつきあいをしていると、改めてそう思います。

商人にとってまず価格が命です。
中国で買い物すると、
売り子さんがいろいろものを運んで来てくれますが、
一番高いものから輸入品、次に国産有名メーカー、
次に安物国産品と説明してくれます。
私が中国に来たばかりのころ、驚くほど安いモノがあるので、
一番安いものに飛び付き、すぐ壊れるので、
安物買いでよく失敗しました。
暫くして、売り子さんの意図は、
中間ラインナップの国産品を高く売りたい、
ということにあると知りました。
ちゃんと使える商品の値段交渉をする際、
「安いものが欲しいなら、こっちを買いなさい」
という決め台詞のために、
使い物にならないものも置いてあることがあります。
日本の店なら使い物にならないものはまず扱ってないので、
大いに戸惑うところです。

ところ変わり、私が通っている美容室は
日本人スタイリスト価格と中国人スタイリスト価格があって、
価格は倍の差があります。
日本人スタイリストは、日本の美容院での長いアシスタント経験、
ロンドンやフランスでの留学経験があり、
アジア人と欧米人の髪質や色素、頭皮の事にも精通しています。
技術があるので、いろんな要望に応じてくれます。

その美容院に行ったとき、
いつも髪を洗ってくれる中国人アシスタントがいないので聞くと、
「新しく開店した日系美容院で
スタイリストになったみたいなんですよ。
まだ修行中なのに大丈夫かちょっと心配だね。」
とのこと。

自分の商品価値も、商人の常として、
少しでも高く売りたいものです。
勤務人の多くの中国人は、
少しでも自分を高く評価してくれるところに流れてしまいますし、
中途採用する方も実際の力量を見極める目がないと
頭痛の種になります。
私の職場でも、以前に日系某広告代理店で働いていたという
流暢な日本語を使う女性を採用したのですが、
仕事をさせると世間話ばかりするだけで、
接待担当として重宝されていたことに後から気付き、
勉強させてもらいました。

日本人は、日本人にしか見えない重力みたいなものがあって、
会社を渡り歩くという人は多くはありません。
価格変動のある値段を追求するよりも、
普遍的な技術や経歴を重視しているからでしょうか。

私たち絶世健美は日本人が中心になっていますが、
商人特性が必要な部門に
商人気質の中国人人材を配置するという風に、
補完しあえる組織が作れればと思います。

絶世の活動情報 : www.zessei.com


2010年12月10日

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