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153. 発展の為には人材を選んで

私が住む北京には激しく人が流入しており、
2009年末におよそ1755万人の人口だったのが、
このペースでゆくと2020年には
2100万人まで膨らんでしまうそうです。

北京はもともと住資源が不足していて、
水やエネルギーまで全て周辺地域から輸入していますので、
これ以上は耐え切れない水準になっています。
私も、自動車がここ半年でずいぶん増えて、渋滞がひどくなり、
また水道、ガス、電気代も値上がりしているのを実感しています。

日本では人口減少による労働力不足を補うために、
移民政策を推進する流れもあるようですし、
ロシアでは左翼と移民の対立が激化して、暴動が起きています。
それぞれのお国事情がありますが、
北京市は人口構造に非常に気を使っていると感じます。
今年は北京の人口構造を調査する為に
調査員がひとつひとつの住居のドアをノックして、
居住者にアンケートを実施しました。

現在の北京市は、上海、シンセンなどと比べると、
非就業者の流入が多い、高齢者人口が多いなど、
国際競争力のある都市の実現には少し遠い状態です。
優秀な人材を北京に集めるために、外国人就業者に対しては、
優れた技能を持つ人や大学・大学院卒業者に制限しています。
むろん、貧しい労働者を受け入れる都市は目指していません。
居住者の質をあげるのが北京市の狙いです。

人口構造をデザインすることに関連して、
最近、住居関係の法律が整備されました。
中国には、ひとつのアパートの部屋を区切って、
2部屋、3部屋にして貸し出すオーナーがいます。
一部屋の家賃が数百元程度に抑えられるので、
低給料の労働者も物価高の北京に住むことが出来ました。
しかし、来年の2月から、
建築当初の設計通りの部屋単位でなければ、
貸しに出せなくなる法律ができたのです。
こうなると、低所得者が借りられる部屋が大幅に制限されます。

スタッフの中には
「どんどん生活のストレスが高くなるなあ。どこか他に行くかな〜」
とぼやく者もいましたが、
「そんな調子では本当に出て行った方が皆の為だぞ」
と私もぼやいてしまいました。
自分の住む都市が
国際競争力ある都市に成長してゆくのは素晴らしいことです。
私たちも素晴らしい商品、サービスを開発して、
盛り上げないといけません。

絶世の活動情報 : www.zessei.com


2010年12月24日

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