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192.21世紀の上司

北京はもう肌寒く、ジャケットが必要な季節になりました。
先週は中秋節だったのですが、
中秋節といえば月餅(月の形をした中国のお菓子)です。
今年も社員に豪華な箱に入った月餅をひとりひとり手渡しました。

月餅といえば、
私が中国に来たばかりの頃に強烈な思い出があります。
今だから言えるお恥ずかしい経験ですが、
中秋節の習慣など知らなかった当時の私は、
中国の各種習慣など全く意に介していませんでした。

そうした習慣ごとは
会計の女の子に適当に手配してもらっていました。
その年、その子はホワイトカラーの職員には月餅の箱詰めを渡し、
その他の職員には月餅1個を渡すように手配したのです。
このことがきっかけになって、彼らは給料を2倍にあげなければ、
明日から出社しないというストライキを起こしました・・・。
待遇は今考えても悪くはないものでしたが、
彼らの自己重要感を傷つけてしまったことで、
怒りが膨れ上がってしまったのです。
自分も同じ事をされたら、怒るでしょう・・・。

新入社員の頃、「早く一人前になりたい」、
「認められたい」と燃えていた私は
その部門の部長の一言一言に一喜一憂していなかったか?
あの頃に月餅のあまりをポイと渡されていたら、
多いに傷付いたに違いません。

命令だけで動く人間に良い仕事を期待出来ません。
この上司は認めてくれる、もっと認められたい、
と張り切る人、
自己実現したいと思っている人と仕事がしたいものです。
リーダーとなる人はそれ以上に、
この仕事は面白いと思わせるのがつとめ。
毎年この季節にはこの人間関係の事故を思い出し、
自分が仕事を一番楽しんでいるだろうか、
職員の気持ちを引き付けているだろうかと自問します。

果たして、今年も豪華な月餅でスタッフをねぎらったのですが、
「今年の月餅はどうだった?」と聞くと、
「去年と同じでした。来年はお金を下さい。」
と切り返されてしまいました・・・。苦笑

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2011年9月23日

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