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39.雲南コーヒー産地の経済学2 - どれが儲かるの?

前々回、コーヒー相場についてお話しましたが、
産地の農民にとっては、同面積の農地であれば
より現金収入の多い作物を植えたくなるのが道理でしょう。
皆、コーヒーに特別の思い入れがあるわけではありませんから。

2003年までのコーヒー相場の低迷期では、
コーヒー栽培を止めて、サトウキビに植え替える農家が良く見られました。
サトウキビだと種を植えて1~2回肥料を撒くくらいで、
特に手間をかける必要もなく1年ちょっとで収穫できます。
その後も毎年収穫でき、近くの砂糖工場が必ず買ってくれるので、
安定した現金収入になります。

その他、この地域で多い作物は、
トウモロコシ(二毛作)、タバコ、バナナ等でしょうか。
キュウリ等の野菜を育てたほうが収入は多いようですが、
農薬の使用が多く、人手もかかるため、あまり見かけません。
何をどのように植えるかは、その農家の裁量次第で、
トウモロコシの間にコーヒーやサトウキビを一緒に植えたり、
タバコの葉の収穫が終わったら稲作に切り替えたり、と
皆それぞれ工夫しているようです。

ここ数年は、コーヒーも需要が増えてきましたので、
他の作物にあえて植え替える農家も見かけなくなりました。
それでも、コーヒーの合間にバナナやライチ等を植え、
さらに根元の隙間には豆類を植えたりして、
二重三重の収入を目論んでいる農場も見られます。
この場合、フルーツの樹がシェードツリーの役目をし、
マメ科の作物が土壌の窒素成分を増やすので、
きちんと管理さえすれば、コーヒーへの悪影響はほとんどないでしょう。
産地農民、中々やるかもしれません。

僕が地元の農民だったら何を植えるかなあ、
と考えてみましたが、
この産地にないもので、収穫後の加工で高い付加価値を付けられるもの、
と想像が膨らみます。

え?「それは何?」ですって?
うーん、やはりコーヒーが一番じゃないですかねえ。


2007年12月07日 <<前へ  次へ>>