Qさんの本を読むのが何よりスキ
という戸田敦也さんがQライブラリーのガイド役をつとめます

第117回
過去の体験は役に立たないと主張する『株の体験』

昭和35、6年ごろの株式ブームに乗って
“株の神様”をつとめた邱さんは
昭和38年からは株は儲からないと考えるようになり、
8月以降は自分の持株をすべて処分しましたが、
その年の10月から翌年の12月まで
1年2ヶ月にわたって「日本証券新聞」に
「株の中の人」と題して連載し、
「株に関心を持つ人に関心をもって」、
観察した結果を文章にしました。

「『株の中の人』とは
株式投資をお金の流れとしてとらえるべきでない、
金の流れのうしろには人があるのだ、
という考え方からつけたタイトル」(『株の体験』)で
「人間心理が株価を決める」とか
「温故知新は通用しない」
「株の世界にクロウトはいない」と書きました。

それから邱さんはずっと株式投資の実戦から
遠ざかったままでしたが、6、7年たった
昭和45年7月から同じ年の9月まで、
「日本経済新聞夕刊」の「知恵袋」欄に
「これからの株式投資」を連載しました。

この連載での邱さんの主張は
「株式投資の秘訣は『安い時に買って、高い時に売る』
というのが単純明快な考え方である。
今の景気のサイクルが4年に一巡するとすれば、
株価は2年は安く、2年は高いという現象が起こる。
そうだとすれば、安い時の後半と高い時の前半、
つまり4年の間に2年だけ株をいじり、
あとの2年は休むのが一番賢明なやり方になる。
これから私はこの『二年働き二年休み』を
実行に移すつもり」と宣言しています。

つまり「景気が悪くなって株価が全般的に下げている時に
次の成長株になるものを買う」という主張ですね。
この作品を「損をする人、もうける人」と題し、
前半に配置し、後半には「株の中の人」を配置して徳間書店から
『株の体験』を昭和45年のクリスマスの日に発行しました。


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2002年12月22日(日)

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