Qさんの本を読むのが何よりスキ
という戸田敦也さんがQライブラリーのガイド役をつとめます

第245回
古典の扱いを受けた『邱永漢の株入門』

『邱永漢の株入門』は昭和58年に出版されてから
9年たった平成4年にベストシリーズ50冊の一冊として
再版されました。
再版に際し、邱さんは浮き沈みの激しい株の話をとりあげた
この本が、実に多くの人によって読まれたことを伝えています。

「『邱永漢の株入門』は株をやろうという人にとっては、
文字通りごく初歩的な入門書である。
初歩的な入門書ではあるけれども
(自分でいうものおかしいが)、
入門書の古典のような扱いを受けてきた。
いつの時代にも、始めて株を手がけようという人が現われる。
そういう人はどこへ行って、
どういう具合に注文すればいいかもわからないし、
その際、どういう心掛けが必要なのかもわからない。
おそるおそる手を出し、儲けたり損したりして
少しずつ経験を積む。

私もかつてそうだったし、
いまだってあの当時と気持ちの上では
そんなに変わらない。
何事も初心を忘れないことが大切である。
株式投資についてはとりわけ原則を守り通すことが
何より大切である。

『借金をして株を買うな』
『遣う充てのあるお金を株に流用するな』
『証券会社のセールスマンの言うことをきくな』
と私が初期の頃に打ち出した原則は、
今もそのまま通用するし
私自身かたくなに守り続けている。

おかげでこれだけ大暴落が続いている時でも、
『ずいぶんへっこんだなあ』
と感嘆するが、恥はかかないですんでいる。
株式投資は定期預金のように
陸上を走っているわけではなく、
海の上を航海しているようなものだから、
どうしてもよく揺れる。

揺れるのをおそれて陸に逃げて帰ったのでは、
魚の大群にめぐりあえるチャンスは永遠にない。
揺れてもシケても、安全に航海のできる術を
身につける必要がある。
そのためにごく初歩的な質問に問答形式でつくったのが、
この『株入門』である。
ごま書房で出版して以来、
何十万部もロング・セラーズで売れてきた。
そのせいもあって、このシリーズに採録されることを
渋ったようだが、
特にお願いして50冊の中の一冊に加えていただいた。
いまも現役で働いてくれている
最も実用性のある入門書の一つである」
(ベストシリーズ版『邱永漢の株入門』

なおこの『邱永漢の株入門』が出版されてから
13年経過した平成8年にこの本に手が加えられ
『株の原則』が出版され、今日に至っています。


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2003年4月29日(火)

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