パリだけがフランスではありません

第39回
カルフール日本撤退のニュース

1ヶ月ほど前、
日本でフランスの世界第2位という
流通業カルフールCarrefourが、
日本事業から撤退するニュースが流れました。
でも、話題にしたのは日本だけで、
フランスではラジオが少し触れた程度だったと思います。
一般的なテレビニュースで触れたところはありませんでした。

日本カルフールの現社長の会見で、
日本市場を理解するのに時間がかかり過ぎ、
単独での参入が失敗の原因だった、
というようなことを言っていました。
つまり日本のパートナーなどいらないと考えていたのでしょう。
うーん、フランスらしいです。

エール・フランスを利用したことのある方なら御存知かと思います。
日本の航空会社のサービスとはまったくやり方が違います。
前者は、ここに用意してありますので
お好きな時にお好きなだけご自分でどうぞ型。
後者は至れり尽せりの典型的世話やき型。
日本人は前者のサービスをサービスとは思わず、
フランス人の中には
後者のサービスをうるさいと感じる人がいるのです。
流通という最も消費者と近い業種で、
このサービスに対する考え方の違いは決定的だったかもしれません。

一方フランスでなぜ「カルフール日本撤退」が
特別ニュースにならなかったかといえば、
単に企業戦略の見直しの一環に過ぎないからでした。
別に業績不審とはいえ、
今まで投資した額に上乗せしただろう額で
日本企業に譲り渡しただけ。
特に屋台骨を揺るがすような事態に陥ったわけではありません。
現に日本のニュースでも、今後は中国に力を集中するようだ、
というコメントがついていました。
フランス経済界でこんな事情は周知のこと。
本国で特にニュース性はないわけです。

そういえばライブドアとフジテレビの株争奪戦が
日本では大きな話題となっていましたが、
こちらでこの問題に触れたジャーナリズムは
あまりありませんでした。
日本独特、井の中の争いと思われているのか、
少なくとも日本経済に
重要な影響を及ぼす事件と取られていないからでしょう。

現にこのニュースを見ていた私に、
珍しくオリヴィエがどうしたのかと聞いてきました。
画面から日本での大騒ぎが伝わったのでしょう。
私のフランス語での説明なので完全とは言えませんが、
状況がわかった途端興味を失っていました。


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2005年4月15日(金)

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