パリだけがフランスではありません

第54回
週35時間労働の国

4月末、息子のパックの休みを利用し、
義父と3人でモン・サン・ミッシェルに行ってきました。
この話しは近いうちにご紹介しますが、
ある典型的なフランスの労働風景に出会いました。

幸いにもこの日は特別混んだ日でもありませんでした。
それでも浮島のようなモン・サン・ミッシェルの教会部分に
チケットを買って入るのに、
30分以上並ばなければなりませんでした。
なんとチケットを売る窓口が
たった1ヶ所しか開いていなかったのです。
これがせめて2ヶ所あれば、待ち時間は半分以下になったでしょう。
ただもっと見学者が多い時でも3ヶ所までは増えないと思います。
そう、これがフランス!

随分前の話になりますが、
シャルル・ド・ゴール空港のすぐ終るはずの出国審査に
途方もない時間がかかったことがあります。
この時も開いていたのはたった2ヶ所で、
さらに4つぐらいあったブースは空でした。
一人の男性が英語で
「まったくフランス人はストばかりでちっとも働かない。
もっと係官を増やせばこんなに待たされなくてもすむのに」
と、かなり怒って吐き捨てるように言っていたのを思い出します。

実はこれ、みんな公務員です。

そして今、フランスは週の労働時間が35時間という画期的な短さ。
国で定めた労働時間なので、この法案が通ってから、
銀行は土曜半日、日曜休みのうえに月曜が加わり連休になりました。
もちろんキャッシングマシンは使えますが、
この営業時間に慣れるまでみんなしばらく困ったものです。

といって誰でも35時間労働の恩恵を受けているともいえません。
お医者様、看護婦さん、救急関係、
パン屋、バー、レストランなどなど。
特に小さな会社や商店はこの限りではないと聞きます。

が、そこはフランス人。
日本人とはもともと働くことに対する考え方が違うようです。
たとえ35時間以上働かざるを得ないような職場でも、
絶対に「過労死」(この言葉自体存在しませんが)など
起こり得ないのがこの国だからです。


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2005年5月20日(金)

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