パリだけがフランスではありません

第83
フランス語は格調高い言語です

7月13日付毎日新聞(インターネット)に
「石原都知事『フランス語は国際語失格』発言で提訴される」
との見出しがありました。

記事は
「昨年10月、首都大学東京(2005年4月開学)の支援組織設立総会で
『フランス語は数を勘定できない言葉だから
国際語として失格しているのも、
むべなるかなという気がする』と発言。」
とありました。

おおよその経緯と、
フランス語学校関係者などが知事を相手に提訴を検討中だと
かなり前に東京の友人が知らせてくれていました。
記事を読んで、
外交問題まで発展しなくてよかったねと思ったものです。

左様にフランス人の自国語への愛着は人一倍強いのです。

19世紀フランスの大文豪
ヴィクトル・ユゴーVictor Hugo(みな彼を尊敬しています)は、
かつて自国語は世界を席巻すると考えていました。
その理由は、当時ヨーロッパ各国の首都で
おもにフランス語が使われていたからです。
特に知識人、上流階級、当時の王家でフランス語は必須でした。
プロシアのフレデリック2世、
英国のエリザベス1世もみなフランス語を使っていたそうです。

フランス語を勉強している方は思い当たりませんか。
きちんと「勉強」しないと正確に話せない、と。
少なくともフランス語と日常的に大格闘している私はそう思います。
耳だけで覚えられる言葉ではないということです。

文法には多くの細かい規則が山ほどあります。
時制も多岐にわたり厄介です。
ここではきれいに間違いなくフランス語を話し、書ければ、
知性、教養の高い人として認められます。
つまり言葉つかいですぐにお里が知れるのがフランスなのです。

というわけで、
フランスの子供たちにとっても
自国語をきちんとマスターするのはかなり大変なことなのです。
英語をある程度マスターするより、
フランス語の初歩を習得するほうが時間はかかるでしょう。
そんな点が忙しい現代に合わなくなっているのかもしれません。

当のフランスだって、
実際英語に押されぎみなことは十分承知しています。
とはいえ先のような発言を、
世界でも有数の大都市責任者がするでしょうか。
これではいつまでたっても日本はただの金持ちで、
せっかく多方面で良いことをしていても
なかなか他国から一目置かれる存在になれない気がします。

そうそうロンドンの公立小学校の第二外国語は
フランス語だそうです。


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2005年7月27日(水)

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