国際結婚してフランスの田舎に住んで

パリだけがフランスではありません

第141回
イギリス人はフランスが好き

前回書いた、私が通っているフランス語講座(外国人向け)には、
3人しか生徒がいません。
私のほかにイギリス人女性(60代前半)と
ベトナム人女性(ほぼ私と同じ年)。
彼女たちとは去年も一緒でした。

マリアンヌ(ベトナム人女性)は御主人がフランス人で、
フランスでの生活はけっこう長い。
一方のイギリス人女性ジェニファーは、
10年以上香港のイギリス人学校の校長まで勤めた人で、
退職後終の棲家としてヴァンヌを選びました。

以前から同じモルビヨン県の内陸部に大きな別荘を持っていて、
毎年休暇を過ごしていたそうです。
プライベートなことは詳しく聞いていませんが、
離婚して1人には大き過ぎる別荘を処分して、
気に入っているヴァンヌ中心部に家を買ったそうです。
イギリスに戻るつもりは毛頭ないといいます。

「ここでは病気になってもすぐ医者に診てもらえるし
(イギリスでは緊急でなければ
2、3ヶ月待たされるのも普通だそうです)、
生活テンポもゆっくり。
まるで20年前のイギリスのようで暮しやすい」
と彼女。
さらに自国はお隣。いつでも簡単に行けるというわけです。

ピーター・メイル氏(彼もイギリス人)が
プロヴァンスに居を構えたのは
かれこれ20年近くも前になるでしょう。
その頃フランスはイギリスより土地の値段が高かったそうですから、
彼の選択に羨望が集まったのも頷けます。
特に気候の良い南フランスに移住できる人は
経済的な余裕がなければ(今でも変わりませんが)できないし…

ところがジェニファーのように、
近年ブルターニュを移住先に選ぶイギリス人が急激に増えています。
家の値段がかつてと逆転したことが第一で、
退職者だけでなく、30〜40代が家族で移住してきているのです。

私たちの引越し先は、
モルビヨン県内の12のコミューン(ここでは町)がまとまって
一つの議会を構成しています。人口は11600人。
セネ一つで9000人近い人口から比べ、
規模の小さなコミューンの集まりです。
中心となる役所はジョスランJosselin
(12世紀末に建てられた大きな城で有名)という町にあります。

と、なぜこんな説明をするかというと、
このジョスラン地域の全人口の
約30%をイギリス人移住者が占めているのです。
お隣のプロエルメルPloermel
(我が家となる所はジョスランと
このプロエルメルのちょうど中間に位置します)には、
イギリス人向けの特別な食品店があるほど。
いかに多いか想像がつくと思います。

ただし、ここでジェニファーのように
優雅な引退生活をエンジョイするイギリス人は良いようですが、
仕事をするにはいろいろな厄介に直面するようです。
特に超有名なフランスのお役所仕事と高い税金。

「フランス人さえいなければ、フランスという国は最高なのに」
とは、ここに移り住んだイギリス人の弁。


←前回記事へ

2005年12月9日(金)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ