国際結婚してフランスの田舎に住んで

パリだけがフランスではありません

第143回
フランスでスープは「食べる」です

ある日の夕食時、
息子に「先にスープを飲む?」と問いかけたところ、
それを聞いていたオリヴィエが言いました。

「ここではスープは飲むのではなく、食べる物なんだよ。
だからスープを食べると言わなければいけない」
と。

フランス語で「飲む」という動詞はboir。
「食べる」の動詞はmanger。
ちょっとフランス語のお勉強のようで恐縮ですが、
つまり
「スープを飲みますかEst-ce que tu bois de la soupe?」
ではなく、
「スープを食べますかEst-ce que tu manges de la soupe?」
と聞かなければなりません。
日本だとスープは味噌汁と同類で「飲み」ますが、
フランス語では「食べる」と表現するわけです。

感覚の違いといってしまえばそれまでですが、
これについてちょっと気が付いたことがあります。
日本とフランスの食習慣の違いです。

日本の汁物は、いくら実沢山(けんちん汁や豚汁など)でも
それだけを食べることはまずないのではないでしょうか。
必ずご飯が脇にあり、それにプラス汁物、という印象があります。

ところがここフランスでは、
スープに古いパンを浸し、それを一品として、
後はチーズを食べるだけとか、
昔から一品料理として存在する違いがあるような気がするのですが、
どうでしょう。

もちろんレストランでスープをメイン料理に入れることはなく、
必ず前菜、つまりアントレです。
しかし日本のご飯と汁物のような関係ではありません。
それだけで独立した一品になっています。

義理の両親のところでは昼に重い食事をしたとき、
夜は軽めですませます。
作ってあったスープ(野菜スープであることが多い)を食べた後に、
軽くデザートのチーズをパンと一緒に食べて終り。
というのも珍しくありません。
特に冬はスープの季節で、これだけで体が温まるし、
たっぷりの野菜とバターでカロリーも栄養価も十分というわけです。

それから日本で汁物は必ずご飯と一緒で、
今はそうでもないでしょうが、
3食この組み合わせにおかずというのは普通ですね。
でも、ここフランスだとスープは昼に食べるものではないと、
義母に言われたことがあります。
外食はこの限りではありませんが、
少なくとも家庭ではそのようです。
理由は尋ねませんでしたが、とにかくそういう食習慣…
やはりところ(国が)変わればいろいろ勝手も違うのか、
と理解しました。


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2005年12月14日(水)

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