国際結婚してフランスの田舎に住んで

パリだけがフランスではありません

第144回
バスタブと暖炉は必需品

息子とオリヴィエが最後に日本に行ったのは、
もうかれこれ5年も前になります。
その時の彼らのお気に入りが、
実家のすぐ近くにあった「大黒湯」という銭湯。

家風呂はありましたが、季節は冬。
昔風の日本家屋だったので
セントラルヒーティングなどありませんでした。
お風呂場は慣れない彼らにとってひどく寒かったのです。
ところが銭湯はどこもかしこも温かいうえ広くて気持ちがいい。
温泉気分で楽しかったようです。

そのせい、というわけでもありませんが、
息子はシャワーよりバスタブに浸かるのが大好きです。
私も寒い夜は日本の湯船風にバスタブで湯につかるのが好みです。

今のセネの家には最初シャワーしかありませんでした。
リフォーム計画に
「バスタブ付きのバスルーム」を組み入れたのは
言うまでもありません。
でも希望がかなうまで3年かかりました。

2階の南東に窓のある我が家で一番明るい部屋。
壁は「トゥールーズ(南フランスの都市の名)」という
サーモンピンクと、リラ(薄紫)色のタイルとの組み合わせ。
床は元からの木を生かしています。
居心地も良くインテリアもいたく気に入っていて、
ここだけはそのまま引越し先に持っていきたいほどなのですが…
もちろんそれは無理。

今度の家には
すでにバスタブ付きのバスルームとシャワールームもあるうえ、
ずっと欲しいと私たちが願っていた暖炉があります。
すぐ住める部分のサロンと、
今後手を入れなければならないほうには
この家ができた時からの大きな暖炉
(昔はここで料理をしたそうです)と2ヶ所あります。
この家はブルターニュ地方の典型的な古い農家で、
なんと300年ぐらいたっているとか。

古くて大きい暖炉は今使っていませんが、
きちんと整備すれば使えるようです。
彼は今からこの暖炉を生かした昔風インテリアにしたいと、
夢を馳せています。
この家を気に入った理由の一つは、
この暖炉の存在だったかもしれません。

といってもいくら大きくても
暖炉のみで部屋中を温めるのは無理なのだ、と彼。
確かに両親のところでは
通常のセントラルヒーティングと共に暖炉を使っています。
そういえば暖房効果を重視した蓋付きタイプも登場していますが、
結局伝統的な「暖炉」は
どうやらノスタルジックな気持ちの暖房という面が大きいようです。

パリのアパートでは
伝統的な暖炉使用は禁止(火災予防のため)されていますが、
田舎に家を持ったら
絶対暖炉は必需品と考えているフランス人は多いようです。

我が家には、暖炉と共にバスタブ付きバスルームも
なくてはならないものです。


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2005年12月16日(金)

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