ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第73回
運命と人生を決するとき

僕は、わりと、遠藤周作さんの本が好きで、
「沈黙」とか、「深い河」などは本当に名作です。
しかし、遠藤さんに日本の山城をめぐる
歴史エッセイがあるのは知りませんでした。

先日、今月出版される
近刊拙著「ガンに打ち勝つ 希望の法則50」は
hiQのコラム連載に筆を入れて書き下ろしたものですが、
その下調べで、遠藤さんも
「運命について」名言を残している本があることを知って
「埋もれた古城」という歴史エッセイを読みました。

前回、このコラムで
「戦国武将の知恵に学ぶ」講演会の案内をしましたが、
まさに、遠藤さんは戦国時代の武将たちの
古城・山城を訪ね、その城をめぐる攻防と
運命を共にした人物たちの謎を追う――
そうした趣味と作品があり、
この「埋もれた古城」が代表作なのです。

この本で取り上げられた古城と武将は、
・関東小豪族の悲劇を象徴する箕輪城
・家康の苦悩がこもる二俣城、高天神城
・切支丹の哀史を秘める日之枝城
・身近な城あと世田谷城 (以下略)
などですが、
「水攻め、高松城をめぐる武将たち」は圧巻です。
明智光秀による織田信長惨殺・本能寺の変で、
なぜ、豊臣秀吉が漁夫の利を得て、
天下を取ることが出来たか?
その運命を分けたのは、
敵の毛利方に放たれた「織田信長死す!」を伝える
2人の密使がマヌケだったからだと、推理しています。

「人間の一生の可否を生かすものは
天運と人力の合体だと言うが、
高松城のあとにたつと、
実にこのことを感じるのだ」と書いています。

話の詳細は読んでのお楽しみですが、
面白い読み物ですから、
歴史ファンならずとも読んでみましょう。

とくに、この中では、
カソリック教徒で運命家らしい
遠藤さんの名言も挿入されていますから、
そうした人生訓も見逃さないように。

「一人の人間には
その運命と人生とを決するような時が生涯、
一度は必ずあるものであり、
それを乗り切った瞬間、
彼の未来は全面に変わる」
――、
秀吉の人生や運命のみならず、
いまの僕たちにも、深い感銘を残す
名句・金言だと思いませんか?

僕は、拙著「希望の法則」の中でも
引用させて貰いました。


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2010年3月14日(日)

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