第104回
邱永漢さんと「希望の法則」・５

拙著近刊「ガンに打ち勝つ、希望の法則50」（グラフ社）に
掲載させて頂いた、
邱永漢さんの「希望の法則」の話の続きです。

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●第44章　≪邱永漢さん曰く
「必要は発明の母　偶然は成功の父」≫

そして、玉村豊男・著「邱永漢の予見力」
という本を読んでみましょう。
運も縁も自在にする、
邱さんのちょっと愉快な秘話が明かされています。

料理研究家で有名な奥さんの潘苑蘭さんを
邱さんは「カミサン、カミサン」と呼んでいますが、
数多ある邱永漢名言の傑作中の傑作は、
不動産を買う時に、必ず
奥さん（＊カミサン）の意見を聞くという
エピソードの裏に隠されている――というのです。
「金儲けの神様の上に、もうひとり、カミさまがいる」――、
じつに人生が洒脱です。

さて、事業だけでなく、
人生の次なる希望を達成するために、
座右とすべき邱永漢式「金言」があります。（略）
「必要是発明之母、偶然是成功之父」＝
「必要は成功の母　偶然は成功の父」という、
縁や運のあやを看破し、自己実現を果たすなら、
決して「あきらめてはいけない」ということを
見事に表現した名言です。

hiQのコラムで、邱さんは、次のように解説しています。
≪「必要は発明の母」と昔から言われています。
「こういうものがあったら便利だな」
「こういうものがあったら助かるなあ」と
人々が等しく願望しているものは、
いつか必らず発明され、実用化されるものです。
自分の足で歩かなくとも、
行きたいところへ運んで行ってくれる
足の代用品はないものかと誰でも考えます。
それが汽車や自動車の発明につながりました。（略）

ここまでは誰でも理解できることだと思います。
私がこのあとに「偶然は成功の父」とつないだのは
志のある者が一生懸命やっていると、
思っても見なかったひょんなことから
成功のきっかけがつかめるようになる。
だから、偶然をバカにしてはいけない、
というほどの意味です。（略）≫と。（以下略）

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どうですか？　さすが、絶望から希望を達成してきた
予見実践家ならではの
パワフルな運命処世訓だと思いませんか？
こうした心ときめかす予言・名言とは、
普通の経済学者や経済評論家の口からは出てきません。

本書「ガンに打ち勝つ、希望の法則50」では、
元気長寿は≪半仙人に真似よう≫
といった話もたくさん書いていますが、
邱さんは、ただ気のエネルギーの流れを見て
雲とカスミを食っているのではなく、
お金こそ生きモノと見て、
そのエネルギーの流れを果敢に予見し、
この世の「運も縁」も存分に楽しんでいる人なのですね。

幸福・成功・長寿の３拍子揃った、
道教の神様「福禄寿」みたいだなァ？　
そう思いながら、僕は、
86歳を超えた邱さんを尊敬しているわけです。