ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第138回
「これが俺の死に方だ」

帯津良一医師VS筆者の対談
「ときめく――生き方上手は逝き方上手」
一挙掲載の続きです。

               *

帯津 ところで、この病院を作って
新しく大きな病院になって半年なんです。
まだオープンしていなくて患者さんたちが
まだ見えていないときに、
外来の広いロビーに立って、
借金の大きさにちょっと身震いしたんです。
生きているうちは返せないなあと思って、
そうするとここで死ぬしかないなあと。
ここが俺の死に所だと思ったら、
急に元気が出てきて、
死に所が決まると気持ちがさだまるというのかね、
ここなんだと思えばいいんですよね。  

それでね、どこにしようかと。
広い廊下がいいなと思った。
その時にわたしが考えたことを、
病院がオープンした次の月の朝礼で話したんです。
わたしがひろい廊下を足早に歩いていると。
その前を看護婦さんが歩いている。
その看護婦さんがただならぬ気配を感じて、
後ろをこう振り向く、
わたしが前に倒れようとする、
そうするとあわてて、
手を差し伸べてわたしをこう受け止めて、
その手の中からわたしがズルズルと前に行って、
看護婦さんの胸に顔をうずめて事切れるとね。(笑い)

これが俺の死に方だといったんですよ。
そうしたらみんな笑ってるんですけどね。
もっと笑っちゃうのは、3〜4ヶ月後でしたが、
職員の人と何人かで飲んだときに、
先生、あのときはみんな大変だったんですよ。
どうして、先生が顔をうずめる
胸の看護婦さんは誰だろうって。
あのひとに違いないよ。バカ言っちゃいかん。
そんなこといったんじゃないよと笑ったんだけど、
みんな次元の低いこといって楽しんでいる。(笑い)

というわけで、達者でポックリも、
死ぬときにポンといくというのが、
まあいいんじゃないかなと思うようになったのですが、
最初はやっぱり死ぬ前に
いろいろ自分の人生をこう総括してね、
あれでよかった、あれはまずったなと、
そういう時間がほしいなと始めは思ってました。

(続きはまた明日)


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2010年5月18日(火)

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