ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第139回
「精一杯生きて、ドンと死ぬ」?

帯津良一医師 VS 筆者の12ページ対談=
(月刊「むすび」誌3月号掲載)
「ときめく――生き方上手は逝き方上手」
一挙掲載の続きです。

               *

帯津 やっぱり心筋梗塞とか、脳幹部の出血とかだと
一発で亡くなりますからね。
これよりはまだ、ガンをはじめ、
ゆっくり死ねるもののほうがいいなと、私は思ったんです。
それで、実はね、死ぬ前に読もうと思って、
普段読めないような大作、長いのを。
これを買っていたんですよね。
うちのある一部屋に本がたくさんありますけどね。

そうしたらね、夏目漱石が「野分」という作品の中でね、
「理想の大道を行きつくして、
途上にたおるる刹那に、
わが過去を一瞥のうちに縮め得て
始めて合点がいくのである」と書いてある。
だから倒れる刹那に、
ばっと走馬灯のように全部わかって、
合点して死ぬんだと夏目漱石はいっているわけです。

そうすると、心筋梗塞でもいいんだと、
あっという間に分かるんだから。
それで、本を買うのをやめたんですよ。
ポンと死んで読んでる暇がないかもしれないから。
それが“ポックリ名人”なんです。

その夏目漱石の考え方、
「理想の大道を行き尽くして、
まさに倒れんとする刹那」
っていう言葉が大好きなんですよ、
こういう死に方がいいなと。
がーっと最後まで頑張ってポンと倒れる。
夏目漱石がこれを言ったのは、
やっぱり彼は、死後の世界を確信していますね。
書簡集なんか読むと、
自分の親しい友人に手紙を出している。
その中で、そういうことをよくいってるんですよ。
死んでも自分はあるとかね。
死んで初めて本来の自分に帰れるのだ、
なんて書いていますよ。
だから、死後の世界を確信すればそれでいいんです。
だからガーツといってポンと、
私はこの死生観でいいなと思っているのです。

もう1つ、介護の問題とかあります。
介護というのは、する人も大変だけど、
される人はもっと大変だろうと思います。
だから、やっぱりせいいっぱい生きて、ドンと死ぬ
という死に方のほうが、望ましい。
というか、人によりますが、
いや俺はゆっくりの方が
いいという人がいるかもしれない。

だから私はそのほうがいいなっと思ってね、
それでそういうことを「達者でポックリ」というのをまず考えて、
それで、「達者でポックリ(東洋経済新報社)」
が少し売れたもんだから、まだ売れているうちと
ポックリ名人(東洋経済新報社)」を書いたわけです。

(続きはまた明日)


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2010年5月19日(水)

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