第151回
良い医師は「患者をときめかせる!」
「トキメキは自然治癒力を高める」――、
「トキメキには食欲や性欲のほかに、
ときめきには知的な領域がある」――、
「むすび」誌3月号に掲載された
帯津良一医師VS筆者の長編対談の一挙掲載の続きです。
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関根 ともあれ、先生の日常のときめきって
物書きにもありますよね。
もう100冊くらい書かれましたか?
帯津 150冊ですね。
書き出しは憂鬱なんですよ、
ところが半分すぎたころから楽しくなってくる、書くのが。
なんか勢いが出てあれが楽しいですよ。
ときめきですよ。
関根 先生は文才があるんですよ。
僕は編集者だから、目次を作り終わると、とときめいちゃう。
もう終わったような気分になって、
タイトルつけて目次をつけちゃうと、うれしくなって誰か、
あとは書いてくれないかと都合のよいことを思ってしまう。(笑)
たしかに、書き始めて半分すぎると、
思わぬパワーが出たり、アイデアが湧いてきます。
先生の本じゃないですけど、
登場人物がみんな勝手に動き出すところがありますね。
なんか、先生はメッセージをしていくうえでの
ときめき方を知っているのではないですか。
患者が偉そうななこといっちゃいけないですけど
「患者をときめかせる」――
これぞお医者さんのもっとも大切な役割ですね。
帯津 それが一番の医療ですよね。
*
患者と医者は
敬いあうことが大事
関根 先生は「患者の寂しさがわかる医者になれ」って
書いていらっしゃいましたね。
帯津 患者さんの胸の中に
ある悲しみに焦点を合わせないといけない。
これは患者さんだから悲しいじゃなくて、
生きとし生けるもの、みんな悲しみをいだいている。
生きているんだから、
けっして患者だから哀れんでいうのじゃなく、
その悲しみがいきとしいきるものの証拠なんだから、
それをお互いに敬いあって、生きようじゃないか。
そうすると医療がもっとぬくもりがあるものになってくる。
ある意味ではガン治療は殺伐としてますからね。
だからそれを1回クリアして
温かみのある医療にしないと治るものも、治らない。
だからそれを敬いあうことが大事。
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(次回に続きます)
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