ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第152回
患者が期待する「医師の3条件」

「良い医師とは?」――
「患者と医者は敬いあうことが大事だ」――
「むすび」誌3月号に掲載された
帯津良一医師VS筆者の長編対談の一挙掲載の続きです。

               *

関根 これからの医者のあり方、
医療者の基本条件として、
「PVMという3要素」を提唱されていますね。
パワフル(powerful 力強さ)、
バルネラブル(vulnerable 弱々しさ)、
そして、さっき話に出た藤原新也さんの
「メメント・モリ(memento mori 死を想え)」をいれて、

その頭文字をとって、PVM。

帯津 まず、医療者はパワフルでなきゃいけない。
ようするに患者との格闘技だっていうんですよ、
これからの医療は。格闘技だからパワフルでないといけない。
倒すということでなく相手をいいところに乗せるわけです。
ほんとのパワーを出すためには相手と
同じ地平にたって重心を低くしないとだめです。

上の方からやったら勝てないです。
だからバルネラブルという言葉使っているんですけど
要するに患者さんと同じ痛みを分かち合うくらい同じ地平に立つと、
そしてこのパワフルでバルネラブルであるためには、
自分の死から目をそむけてはいけない。
それとメメント・モリ。
この三つが医者の3条件なんです。

そういうことを予備校の医学部を受験する人に講義しているんです。
だけど、これは医者だけじゃなくて人が生きていくうえで、
パワフルで、ある程度、弱々しさも供えて、
そして死について目をそむけないことが大事なんですよ。

関根 先生が共鳴した3人のうち、
ホメオパシーの権威・ヴィソルカスさんについて、
まだ伺っていませんでしたが、どういう方ですか?

帯津 私は3日間つきあいましたが、タフですね。
3日間、朝から夕方まで1人でしゃべってるんです。
でも朝3時間、昼寝の後3時間、1日6時間ぐらいしゃべるんです。
それからホメオパシーの第一人者ですから人生の機微というか、
あるいはデリカシーというか、
そういうことをよく心得ている人で、つきあっていても楽しい。
ただ、残念なことに酒を飲まないので、
あれで酒を飲んだら、こんないい人いないですね。

関根 ギリシャの島に病院があるのですか?

帯津 島に病院じゃなくて、ホメオパシーを教える学校。
教える人を教えるんです。
ところが、彼もあんまり学校はやりたくないらしく、
最近は、彼が出してる
ホメオパシーの辞書みたいのがあるんですが、
その改訂を、毎年、彼の学校に、
ヨーロッパから50人くらいの人が集まって
ディスカッションしながら改訂やってるんですね。
それをよくやっています。

関根 ホメオパシーこそがホリスティックの核心だ、
先生はよく話をされますけれど、
一般の人に、そのあたりをちょっと分かり易く
解説していただけますか?

帯津 ホメオパシーはふつう、
代替医療のひとつとみなしていたから、
あえて自分がやるとは思ってなかったんです。
あるとき、私が司会をやらなければいけない会合で、
ホメオパシーの先生が来てしゃべる機会があった。
ホメオパシーは徹底的に自然界の物質をうすめるのですが、
一分子もないくらい薄めるわけです。
アルコール溶液でそのうすめぬいた液体がなぜ効くんだ
という質問に対して、徹底的に物質性を排除して、
その物質が持ってる霊魂が効くんだ――と答えているんですね。

(続きはまた明日)


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2010年6月1日(火)

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