第213回
“食う欲”ほど恐いものはない・1
故・岡田周三さんは、マクロビオティックの中心団体・
正食協会の前身=「食養新生会」の主宰者で、
このコラムでも何度も紹介したことのある、
「むすび」編集長、正食協会現会長の
岡田定三さんのご尊父。
マクロビオティックの大先達・桜澤如一さんから、
絶大の信頼を得た数少ない
傑物・直系の食養指導者ですが、
その名著に座談会形式の
「食養問答録」(1987年)がある――、
いま読んでも、「食といのち」の不思議な関係を
とても分かりやすく解き明かした内容だ――
という話の続きです。
よい機会ですので、傑物・岡田周三さんと
当時の生徒さんたちが交わす
「食養問答録」のサワリを
アトランダムにピックアップしてみましょう。
≪●食養で治らない人――
岡田=ご馳走やおいしいものに
とりつかれたような人がありますね。(略)
僕はある京都の禅寺の前管長という方が中風で
半身不随で何年か寝ていたのを指導したことがあるが、
歩けるようになったら、
おばさんの留守中にゴソゴソ台所に行って、
戸棚をあけてマンジュウを食べて
またひっくりかえってしまったことがあった。(略)
出席者=「食う欲」ほどこわいものはない。(略)
出席者=中毒は酒やタバコだけかと思っていましたが、
甘いものも中毒しますし、肉食も中毒なのですね。
岡田=享楽中心の考え方の中毒だよ。(略)≫
≪●乳の出ない母親――
出席者=私の所は母乳ばかりで育てた関係か、
風邪などひいたことがありませんし、
お腹をこわしたこともありません。
そしてちっとも泣かないので実に楽です。
岡田=人見知りということもありませんね。
誰にでも手を差し伸べて抱かれるのですよ。
母乳に勝るものはありませんから、
妊娠中から玄米正食をすることです。≫
(続きはまた明日)
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