ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第220回
健康のヒケツは≪調和力≫だ(2)

6月のグッド・エイジング健康セミナー
免疫学の権威・安保徹新潟大学大学院教授の
「知らないと損をする!
40歳からの免疫力」という講演会と
新刊『かたよらない生き方...』の紹介の続きです。

内容は、細胞内の「本来細胞」と
大昔、そこに寄生した「ミトコンドリア」の
2つのエネルギー生成系の働きに着眼。
その2つの「調和」=バランスをはかることが
健康の秘訣だとするものです。

この論理を大まかに図式化すると
生命体細胞の2つのエネルギー生成系の働きとは、
●本来細胞=解糖系(無酸素運動=嫌気性代謝)
●ミトコンドリア=有酸素系(有酸素運動=好気性代謝)
――の合体したものであり、
ストレスの多い生き方が続くと、2つの調和が崩れて、
解糖系(本来細胞)が好む低体温、低酸素の体調になり、
「先祖返り」を起こしてガンを発生する――。

だから、とくに中高年になったら、
有酸素系(ミトコンドリア系)を
メインにシフトしていく生き方に変えよう――
ガンの改善には「深呼吸」や「軽い運動」が
いい方法だ――といった発想のようです。

*先祖返り=生物が進化過程で失ったはずの形質が、
ある個体に突然現れること

調和力といえば、「生命=機械」ではありませんから、
機械修理のような治療法で、
ガンや難病が治せるはずはありません。

まえに、このコラムで、分子生物学で
人気の福岡伸一・青山学院大学教授の
≪生命体は「静的」な状態ものではない。
「動的平衡 」の「淀み」の中にある≫――という理論を
紹介したことがありますが、単純な機械論からではなく、
「生命=調和」論による新学説が盛んに研究・公開され、
一般の患者や一般の読者の興味を
引き始めたことは喜ばしいことです。

僕のコラムを読んでいる人ならお分かりの通り、
「生命調和論」は、 宙身一体の生命エネルギーの調和を説く
古来の東洋思想、そして、僕が実践している
マクロビオティック食哲学の始祖・桜澤如一さんなどが、
とっくの昔に提唱しているもので、
ま、西洋科学では、東洋哲学と同じように
「陰陽調和」とは言いたくないのかも知れません。

それはともあれ、一般の患者は、
学派や学界の意固地さや、しがらみなど無関係です。
「とにかく命が助かればよい」
「なんとしても元気に長生きしたい」――
これが偽りのない最大の願望ですから、
いのち学が「いのちの調和論」として、
患者の感覚に近づいていることは嬉しい限りです。

とくに、中高年から元気長生きを目指したい人は、
安保教授や福岡教授などのこうした
新しい“複眼メッセージ”の本を読むことをお勧めします。

また、ミトコンドリアについては、
すでに読んだ人もいるでしょうが、
瀬名秀明・著「パラサイト・イヴ 」という
とても面白い小説があります。

これは、ミトコンドリア系の本来細胞系に対する
「逆襲」を描いたものですが、
安保徹教授の、ガン=「本来細胞系の先祖返り」説なども、
小説風に読むのも一興です。
さらに、生命の奥深さが楽しめると思います。

ともあれ、「調和力」こそ、
いのちの源、健康長寿のヒケツ――、
これを心して、日々、元気に過ごしたいものですね。


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2010年8月8日(日)

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