ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第229回
「母親は家庭の薬剤長」


わが子のヒルシュスプルング病
(先天性腸管無神経節症)という難病を
「食の改善」によって克服した
岩手・の鈴木美感子さんは、
とうとう、地元の有機農家の方たちと連携して、
地元発信の産直通販店=「マグノリア」を作った――、
いま、米、味噌、梅干しを中心とした
まさに「台所発信」のスローヘルスな輪を
全国に広げている――という話の続きです。
(「むすび」誌8月号、巻頭・特別対談より)

               *

鈴木 ヒルシュスプルング病
(先天性腸管無神経節症)というのは
大腸の神経がない病気なので、
そこを切ってこうつなげるという手術をするために、
からだが小さかったり、腸のダメージが大きいと、
体が大きくなってから、
その時点で手術をしましょうということで、
それまでの期間、その当時
同じ病棟の中ではうちの子は重いほうだったですが、
病院通いの“卒業”は早かった。
すごくあれこれやったのが功を奏したのか、
もともとそういうふうになるのかは自分としては、
食事をいろいろやって、
手をかけたことが良かったんではないかなと思います。

病院の薬も併用してうちの子は医学が進歩したので
救われたいのちなんですね。
責任は自分にあると思うんですけど、
ほんとに息子が目の前で呼吸停止して心停止して
真っ黒にほんとに瞬間に、ばっと色が変わったので、
あの時はほんとに自分がなんとかしたいというか、
自分が何もできなくてどうにかなると悔いが残るというか
そんな気持ちになりましたね。
お医者さんにだけ頼ってたらみたいな。
ほんとにいい感じでいいものに確かに
出会ってきたんだなって気はします。

関根 うまく人生設計、家族設計ができたわけだから、
まさに「母親は家庭の薬剤長」の役目を
はたしたってことになりますね。

さっきの無農薬の農家の人たちとのお付き合いの話に戻すと、
鈴木さんの周りにはとてもユニークな人生観を持っている
お仲間が多いのに驚きました。
昔、スローヘルス研究会のメンバーで
こちらに研修・合宿旅行に来たときに、
有機農法、無農薬農法に熱心な鈴木昭平さんという人がおられた。
畑を見学に行ったときに、とても丁寧に説明してくれて、
“いのちを大切にしよう”という理屈もいいんですね。
今でも覚えていますが、
“人間は甘やかしちゃいかん”って言う言葉が印象的でした。

ようするに、植物を育てるときに
肥料をやりすぎるとおかしくなる。
それと同じで、科学の便利さでいのちを
軽々しく考えてはイカンというのです。

その地元のおじいさんが大学の教授などより
えらいこと言うんですね。この人はすごいと思った。
しかし、残念ながら、翌年、突然、亡くなられてしまった。
でも、いのちを大事にしよう、食はいのちの源だ・・・
という有機農法に打ちこむ思いが若い人たちにも伝わって、
そこから、鈴木さんの「台所から見るいのち」
のネットワークも広がってるんじゃないかな。

鈴木 これからというときに亡くなられましたが、
なにがピンときたかというと、
土着菌をつかった肥料作りをされたんです。
身土不二の考え方じゃないですけれど、
その土地に何百年も住み着いている菌を使って
発酵させていらしたので、すごく納得できるし、
それを食べる自分たちが元気になるのも
あたりまえな気がします。


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2010年8月17日(火)

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