ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第240回
食道ガン!小沢征爾さん、桑田佳祐さん


小沢征爾さん、桑田佳祐さんが、
食道ガンの手術をこえて、
果敢に闘っておられるニュースが、
テレビや新聞、そして芸能週刊誌を賑わしました。

このコラムでも何度も書いてきましたが、
食道ガンの手術は膵臓ガンの手術に続いて、
難しいとわれています。
もちろん、症状や個人差によって、
結果の違いは出てきます。

僕が罹った12年前とは違って、
大学病院や専門病院の早期検査も手術技術も
多様に進歩してきたはずですから、
生還の率も上がってきているとは思います。
早期発見で腫瘍が小さければ、
身心にダメージの少ない内視鏡手術も可能です。

しかし、食道ガンとは、
心臓や肺といった生命維持臓器に
囲まれた胸部の奥=背骨の前につながる
30センチほどの管ですから、切除手術の場合は、
胃の手術のように簡単にはいきません。

生命維持装置を守る肋骨をはがし、
腹を切り、のどを切って食道全体を切除。
胃の神経の動きを抑えて持ち上げ、
のどの下につなげるという「荒治療」ですから、
問題は、切り取って繋げる
「医の技術」は上手くいくにしても、
麻酔が取れてからの副作用や合併症、
さらに術後の生活も大変です。

当座は、胃がのどの下に来るわけですから、
食事も食べてから飛び出すことがありますから、
何度も分けて食べたり、枕を高くして寝るといった
生活の工夫も必要です。

僕は拙著「ガンを切らずに10年延命」
「ガンに打ち勝つ、希望の法則50」に詳しく書いたように、
切らずに、幸運にも12年間、
なんとか上手く元気で延命してきた身です。

食道ガンを切るべきか?
食道ガンを切らざるべきか?
どちらの道を選ぶか――
この選択は医師の技量のみならず
その患者さんと家族みなさんの
人生観と生活観に大きくかかわってくるのです。
ここが、食道ガンが大騒ぎされる所以です。

多くの人が、食道なんていう
食べ物を飲み込む管の病気は
「切れば簡単に済む」――と考えがちですが、
罹った患者は、予後、大変な苦しみを抱えるとともに、
それを乗り越えて生き抜く、
大きなエネルギーを要求されることとなるわけです。

小沢征爾さんも、桑田佳祐さんも、
僕とは違う治療の道を選ばれましたが、
退院後の養生の道――
人生の希望の道のりは同じです。
「元気で長生き」――
なんとしても養生の頂上を目指してほしいと、
切に願っているわけです。


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2010年8月28日(土)

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