ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第241回
≪以一貫之≫食道ガンを切らない!


食道ガンを切るべきか?
食道ガンを切らざるべきか?
小沢征爾さんも、桑田佳祐さんも、
僕とは違う治療の道を選ばれましたが、
退院後の養生の道、人生の希望の道は同じだ。――
という話の続きです。

前回も書きましたように、
食道ガンは、胃ガンや大腸ガン違って、
手術そのものが長時間にわたる難手術です。
もちろん、手先の器用な医師と不器用な医師に罹れば、
手術そのものの成否は違うでしょうが、
ガンの闘いとは医師の「技量」の問題だけではありません。
患者が「いかにして元気で長生き」の道を掴みたいかどうか?
この意志力と人生観が大きくかかわってくるようになりました。

別に、僕の「ガンを切らない選択」が
最良の治療だなどとは強弁は致しません。
僕の12年間のしがない経験から申し上げれば、
「ガンを上手に乗り越える」ことができるかどうか?
食道ガンを切るべきか?
食道ガンを切らざるべきか?
それは、長い闘いのスパンから見れば、
人生の山道を右へ行くか、
左へ行くかの違いではないか?そう思っています。

切るにしても、切らないにしても、
それぞれに退院後の苦労、苦痛は大変なものです。
だれしもが人一倍の養生の工夫を凝らすことになります。
「生還」「延命」という頂上を極めたい!
「寝たきりではなく、元気で長生きしたい」という、
生きる意欲さえしっかりと持続できれば、
やがて、それなりの良い結果を掌中にできる――
僕は、いまも、そう考えています。

一般論として、このコラムでもよく書いてきましたが、
ガンになっても「あわてない、あきらめるなよ、あせらない」――、
この「ガンは絶望病にあらず」の金言を肝に銘じて、
退院後の人生を再設計することが大切だと思います。

好きな金言に、
「以一貫之」(いちをもってこれをつらぬく)という
「論語」の言葉がありますが、
「なんとしても元気で長生きするぞ」
「納得する人生を過ごすぞ」という、
新たな信念で、次なる道を貫くことだと思っています。

僕の場合は、食道ガンを「切らずに長生き」という
一つの信念にたどり着いて、
幸運にも生きながらえてきたわけですが、
もちろん、「切って長生き」という患者さんも、
「切らずに長生き」の患者さんも僕の周りにはおられます。

誰しもが、再発の不安に襲われます。
もちろん、病気でなくとも、いずれ誰しもが寿命は尽きます。
しかし、「以一貫之」、いや
「以一貫命」(いちをもって いのちをつらぬく)――
それぞれ、患者自身が再設計の信念をどこに置くか?
ここが元気で長生きのポイントです。
僕の場合、「以一」の「一」という信念は、東洋思想でいう
宇宙生命の太極=太一=無限の可能性がもたらす発想です。
患者を機械のように扱う西洋医学だけでなく、
心身全体を見る東洋医学の知恵を合わせた
ホリスティックな養生法を選んだことは、
拙著やコラムで書いている通りです。

自分を偽らない「人生観」に近い道を選んだ人、
ささやかでもトキメクような希望を見出した人、
そうした養生の達人が、
上手に「元気で長生き」の成果を
掌中にしているように思っています。


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2010年8月29日(日)

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