ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第275回
したたか仙人=「不老秘薬は半分飲む」


道教では仙人になる方法が「抱朴子」に、
仙人たちの伝記は「神仙伝」や「列神伝」
などに記されています。

例えば、陰長生という仙人が「神仙伝」に登場します。
漢の皇后の一族でしたが栄達を好まずに修行に励んだ人。
「不老長生は神丹(丹薬)、行気導引(呼吸法)、
俯仰屈伸(運動)、草木服食(食事)で
年寿を伸ばせる」と秘薬の半分だけを服用。
即座に「天仙」にはならずに300歳まで生きた――、
馬鳴生、白石先生という仙人も
“効果が半分”の薬を飲んで「地仙」を選んだ――
と書かれています。

この仙人思想の影響は、
日本にも「庚申待」(こうじんまち)の
風習として伝わりました。

道教では人間の頭と腹と足には
悪事を監視する「三尸(さんし)の虫」がいる。
「三尸の虫」は庚申の日の夜中に
天帝に日頃の行いを報告。
その人の罪状で寿命を書きかえるといいます。
やがて「三尸の虫」が天に登れないように夜更かしし
酒盛りをする「庚申待」が流行ったわけです。

「三尸の虫」は穀物を食べて生きているので、
「辟穀(へきこく)=穀物を食べない」
「丹薬を服用する」ことが秘術として続けられたようです。
「仙人道とはひたすら
≪生きる幸せ≫を求める切なる世界だ」
と逆発想してみましょう。
さすれば、いかに道教が
人間の都合のよい願望と密着したか?
そのユーモラスな発想法の原点も分かります。

さて、どの宗教の死生観があなたの性に合うか? 
それは皆さんの判断次第ですが、
生に執着する仙人の姿は
なかなか人間臭くて愛嬌があると、
僕は思っています。 


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2010年10月2日(土)

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