ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第292回
ガンを切る?切らない?――判断基準(4)

僕と故・土屋医師は、ただの患者と医師というより、
いのちの質を高めるための「人生観」で
意気投合していましたから、その後、
「医者と患者でつくったガン治療入門」(NTT出版)
という共著も出版しまして、
中で、土屋医師は盛んに
「EBM(Evidence Based Medicine)治療より
HBM(Human Based Medicine)治療」を提唱し、
手術、抗ガン剤、放射線だけにこだわるのではなく、
遺伝子療法から代替療法まで、幅広い選択肢の中から、
人間本位の「合わせ技」のガン治療を薦めたわけです。
(詳しく知りたい人はこちらも読んでみてください。)

もちろん土屋医師は、器用なタイプの外科医で、
癌研病院でも700人にのぼる患者を執刀してきた人でしたが、
残念なことに、若くして他界されてしまわれましたが、
ガン専門相談所の「キャンサーフリートピア」は
後輩の三好立医師がついでおられます。

納得して延命力を掴むには、
「治療のマイナス面も教えてくれる医師」
いや「患者の寂しさを分かってくれる医師」を探す――、
これがとっても大事なガン患者の法則なのですね。
長寿時代とは、社会福祉制度をどう維持していくか?
という国の財政の問題だけでなく、
個人そのものの生き方に大きな問題を投げかけています。
新たな医療保険制度として、
75歳以上を後期高齢者と規定して、
政府は顰蹙をかったわけですが、
それほど、多くの人たちが、
この長寿時代をどう『元気で長生き』していったらよいのか?
真剣に考える時代になりました。

現実に、ガンは一種の「突発性の老化病」でありますから、
長寿社会になればなるほど、大半の人が、
ガンと向き合う、その対応を迫られる時代となりました。

いまや、ガンは特定な人の病気、
いや、他人事ではなくなってきたわけです。
これが、日本は長寿難病国、いや長寿病弱国とまでいわれ、
「2人に1人がガンになる」と恐れら始めた所以でしょう。
これからは、もっとひどい状況になりかねないようです。

「気がつけば、あなたもガン」いや
「気がつけば、あなたも“多重ガン”」といわれる
長寿難病時代の始まりとなりかねないからです。
前立腺ガンの次に胃ガン、さらに肺ガン・・・といった、
全く別の部位に新たにガンが出来てしまう
「多重ガン」の患者さんが増えてきているからなのです。

一病息災ならぬ、多病息災の長寿社会の中で、
いかに「寝たきり長生き」ではなく
「元気で長生き」していくか?
人間らしく生きていくか?
人生を設計していくか?
ここがポイントの時代となりました。


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2010年10月19日(火)

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