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         第111回 
          びっくりしました・・・ 
        第109回でご紹介した 
          「ペトロチャイナ H株 0857」が 
          翌日の6月9日に売買停止になりました。 
          もちろん私のコラムが原因ではありません。(笑) 
        同社が親会社である 
          「中国石油天然気集団公司(CNPC)」から 
          海外資産を買収するために 
          売買停止になっていました。 
          香港市場は株価に 
          大きな変動を与える可能性のある情報を 
          発表するときは、1〜3日程度、 
          売買を停止することがあります。 
        今回は親会社から 
          海外に保有する石油・天然ガス資産を 
          約207億元(約2700億円)で 
          買収すると発表しました。 
          完全買収ではなく、 
          権益を50%取得することになりますが、 
          これにより、海外10カ国の 
          石油・天然ガス資産を 
          傘下に収めることになります。 
        ご存知のように、中国のみならず、 
          世界各国で石油・天然ガスなどの需要が伸びています。 
          これは経済が活性化している証拠でもありますが、 
          逆にリスクにもなり得ます。 
        もし、エネルギーを 
          確保できなくなってしまった場合、 
          生産活動など、ほとんどの活動が 
          出来なくなってしまうからなのです。 
        そのようなことにならないように、 
          中国はエネルギーや鉱物などの 
          資源確保に努めています。 
          石油の備蓄や世界各国との協調、 
          FTA(自由貿易協定)協議、 
          そして、海外への積極投資です。 
        「ペトロチャイナ」は 
          国内で活動しているイメージが強い企業ですが、 
          今回の権益買収で 
          貯蔵量が4.31%、生産量が5.41% 
          増加する見通しです。 
          また、海外の貯蔵量も 
          約10倍に増える見通しです。 
        今回の権益買収が、 
          吉と出るか凶と出るかは、 
          幾日も経たないとわかりませんが、 
          10日の株価を見ている限り 
          投資家の皆様は「良いのではないかな」と 
          思ったのではないでしょうか。 
          上場来高値を更新し、5.50香港ドル、 
          終値5.45香港ドルをつけました。 
        現在、中国株があまり動かないとはいえ、 
          「ペトロチャイナ」の動向は 
          非常に大きな意味を持っています。 
          もちろん、発行株数が多いいことや 
          海外の機関投資家がたくさん持っている 
          ということもありますが、 
          高成長する経済を支える 
          中国最大のエネルギー企業。 
          同社の未来が中国の未来を左右すると言っても、 
          それほど的外れではないと思います。 
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