杉浦秀子さんが掘り起こしてくれる
日常に埋もれた美のヒント

第9回
なんとなく、綺麗

なんとはなしに、気品のある人がいる。
着ているものは普通なのに漂う空気が違う。
落ち着いた生活をしているのが感じられます。
丁寧に生活している、と言ってもいいですね。
そんな人は、周囲を幸福にします。

少し話がそれます。
本当に美しい音を聴いたことがありますか?
透明で、聴いている細胞が生き返るような音。
その波動を物に感じることがあります。
家具であったり、カーテンの生地であったり、
食器であることもあるし、靴や鞄であることもあります。
人の心を穏やかにしてくれる波動。
それを求めて身の回りのものを少しずつ集めていたら、
その人らしい生活ができあがってゆくようにおもいます。
そして、そのものから人が作られていく。

日本アカデミー賞の司会で岸惠子さんを見て、感心しました。
日本にもこんなに綺麗な70歳がいるのか、という感じ。
彼女の生活ぶりを雑誌で見たことがあります。
掃除の行き届いた部屋に
彼女の美意識に合った物が置かれていました。
その中から、その蓄積から彼女は作られたのでしょう。

全てのものには波動があり、それを感じて女性はつくられる。
その波動こそが文化なのではないでしょうか。
生活の中にさりげなく文化があるなんて素敵なこと。
日常で波動を探すのは、日常そのものが芸術活動になります。
なにも、大それたことをしなくてもいいはずです。
簡単な料理でも、丁寧に作る。
彩りや盛り付けの仕方でも随分に違う。
きっと、なんとなく綺麗な人は
そんな生活を心がけているのでしょう。


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