杉浦秀子さんが掘り起こしてくれる
日常に埋もれた美のヒント

第100回
奥様の買い物に付き合う旦那様へ

土曜日と日曜日の銀座は景色が変わります。
家族で買い物をする人が増えるのです。
先日、百貨店を歩いていたら、
中年の男性が女性の靴売り場の前で立っていました。
しかも、通路のど真ん中で。
「一体何をやっているの?お邪魔っ!」
と心の中で思ってはみたものの、
靴売り場をうろうろしながら様子を窺っていました。
しかし、一向に通路の真中から動こうとはしません。
痺れをきらした私は、
「ライバルの百貨店の人が私服で偵察にでも来ているのかな」
と考え、靴売り場を後にしました。

しかし、その後で百貨店を歩いていると、
こうした挙動不審な男性が沢山居るのです。
ある人は、ベビーカーを持って
階段の片隅でボーっとしていますし、
またある人は婦人服の前で腕組みをしながら
仁王立ちしています。
もしかしたら、これらの男性は
奥様が買い物をしているのを待っている旦那様ではないかと
その時にやっと気が付いたのです。
女性の立場からすると、これは少し困ります。
「早く買わないかな」などと待っていられたのでは、
誤って衝動買いでもしてしまいそうです。
一緒に靴屋にでも、服屋にでも入って、
「これがいい、あれがいい」と話でもすれば、
会話が弾むのではないかと思うと少し残念です。
それに、世間の流行だって分かるではありませんか。
「男子たるもの、そんなことができるか!」
ということであれば、「一時間後に落ち合おう」と
カフェなどで読書の時間を取る事も出来ます。
とにかく、通路のど真ん中で仁王立ちしているよりは、
自他ともに有益な時間になると思うのですが。

女性が生きて行くうえで、男性との時間の使い方も
重要な課題です。
たまたま、趣味が一緒であるというご夫婦は良いのでしょうが、
そうでない場合は工夫が必要なようです。
「とにかく内は食べることに命がけなの」
という女性もみえます。
旦那様はお酒担当、
奥様はお料理担当で、食事の時間を夫婦で作り上げている、
ということです。
夫婦やカップルはどうしたら心地よい関係でいられるのか、
その関係の数だけ、理想の姿も違うと思います。
誰と暮らしても、その探求だけは続きます。


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