第101回
ベルファーレのお姉様達は何処へ?
私は銀座を眺めていると思うことがあります。
「あの、ベルファーレのお姉様達は
一体何処に消えてしまったのか。
もしかしたら、ベビーカーを引いている、
あの綺麗な女性?
可愛い女の子の手を引く、あのお母さん?
まさか、社長と一緒に介護の仕事に
トラバーユしてしまったのだろうか。」
バブル時に栄華を誇ったディスコのお立ち台のお姉様達は
一体何処に消えてしまったのでしょうか。
当時はまだ、上京していませんでしたが、
東京に遊びにきたときにそのディスコ立ち寄りました。
「この人たちは、日本の女性の歴史を変えるのかもしれない」
と私は感じました。
が、世の中が不景気になると、お姉さん達も自然消滅しました。
女性の居場所は景気変動と流行と共に変わるのでしょう。
ベルファーレに通っていたお姉さま達も、
きっと今では良きお母さんに変身しているはずです。
日本の女性の歴史を大きく変えることはなかったにせよ、
あの元気なエネルギーをどこに向けているのか、
自分達の居場所を探し続けているのではないかと
思うのです。
今の20代、30代前半の女性と話をしていても、
「自分の居場所探し」をしている人は少なくありません。
雑誌の特集も、「居場所探し」ばかり。
皆、自分の居場所が何処にも見付からない、
と焦っているかのように感じます。
ベルファーレは一時の「遊び」だったにせよ、
10年経った今も居場所探しは相も変わらずに続いています。
しかし、日本の歴史上、ホワイトカラーで男性と同じ土俵で
競う機会が与えられるようになって、
半世紀も経っていません。
もしかしたら、遺伝的に大きな組織で働くことに慣れていない
可能性があるのではないか、と感じることもあります。
私も随分と居場所ばかりを探してきました。
しかし、時代に応じて、居場所が変わった方が
面白いかもしれない、と考えが変わリ始めています。
一つの居場所を求め、そこに居座る必要など
何処にもないと思いませんか。
|