第118回
アメリカの女の子のいじめ事情
私はアメリカにはいじめがないと思っていました。
比較的自分の意見をはっきりと主張する、
と考えていたからです。
しかし、「女の子どうしって、ややこしい!」
レイチェル・シモンズ著、鈴木淑美訳
という本を読んで変わりました。
アメリカの女の子約300人にインタビューして
白人の女性が書いた本です。
「謙遜と抑制こそ女性らしさの本質」
「へたに目立つと面倒に巻き込まれる」という文章を
アメリカ人女性が書いたと考えられますか?
私は知人のアメリカ人女性に聞いてみました。
「その本に書いてあることは、アメリカの日常です」
またも、私は目眩がしました。
自分の常識は世間の非常識のようなショックを受けたからです。
もちろん、人種差別はあるでしょう。
けれど、白人の女の子同士で、日本の女の子と同じ風習がある、
ということは私にとって衝撃でした。
この本で面白いのは、
「いじめは椅子取りゲームのようなもので、
誰だって加害者にも、被害者にもなる」という所です。
被害者を経験した著者が、たまたま加害者という役割を
演じなければならなかった経緯も書いてあります。
これも、誰だって見覚えがあることだと思います。
そんなに深い意味があった訳ではないのに、
「目立ちたくない」ということだけで、
そっけない態度をしなければならなかったということが。
けれど、インタビューを受けた300人の女の子達は
大人になっても傷が癒えずに隠していました。
内容は学校を舞台にしています。
社会に出てしまえば、「ココは自分の居場所ではない」
と腹が決まれば辞めることができます。
逃げることだって、女性の大切な処世術です。
しかし、学校時代はそこが全ての世界になってしまい、
逃げる所がないのです。
今、登校拒否や引きこもりの子供が増えており、
社会問題にもなっています。
本人は勿論のこと、そのお母さんもどう対処したらいいのか、
苦しんでいるのではないかと思います。
イジメを受けても、
「自分がそんな価値のない人間だと思われたくない」
と小さな子供達は考え、親に報告しようとしないようです。
もしかしたら、お母さんの知らない所で子供だけが
悩んでいる可能性もあるのです。
女性が生きてゆく上で、同じ女性との関係をどうやって
上手くやってゆくか、ということは少女から老人まで
共通の課題だと思いませんか。
私はこのアメリカ人女性ライターに影響を受け、
日本でどうやってこの問題に対処している女性がいるのか、
実際に取材してみたい衝動に駆られた程です。
皆さんも知りたいと思いませんか。
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