杉浦秀子さんが掘り起こしてくれる
日常に埋もれた美のヒント

第143回
私が年を重ねて良かったと思うこと

私は若い頃、生きて行くのは大変だと感じていました。
今も大変には変わりないのですが、
ほんの少しだけ事情が変わりました。
それは、自分の長所、短所が比較的分かるようになったから。
私は幼い頃、負けず嫌いでした。
けれど、そんなことは気づいていなかったのです。

以前、嫉妬についてコラムを書きました。
そのことについて、ある女性から
「本当に貴方は、真っ直ぐ生きてきたのね。
悪いことなんてしたことないんでしょ。」
と批判を受けました。
これは、少々勘違いをされているな、
と感じながら話を聞いていました。
私は分かっているのです。
「三つ子の魂百まで」で、基本的に負けず嫌いなのです。
しかし、基本的に人に勝ったり負けたりする事で
自分が幸せになることは有りませんでした。
ライバル会社より売り上げを伸ばす、
昨日より、今日のほうが上手くなっていたい
というような健全な競争は自分を高めたり、成長させます。
けれども、一時的に誰々よりも優れていても、
人は別の悩みや苦しみを得るようになっています。
皆さんの周りにも、完全に一生幸せな人などいない筈です。
私は負けず嫌いな自分を苦しめ無いような環境を
自分で作っているだけの事です。

別のOLさんの話です。
「女性社員2人、男性社員1人の環境で、
男性が一方の女性を贔屓にすると
女性同士の関係が駄目になりました。
男性はたまたま話易い方と話していただけの事です。
けれど、女性同士の競争が始まって、見るに見かねる状態でした」
同じ年頃で、両方とも未婚というような条件の場合、
どうしても競争をしてしまいます。
このあまりにも小さな世界での競争では、
お互いの気力を消耗するだけの結果になります。
自分が小さな世界で競争をして、疲れ果ててしまうことは
目に見えています。
けれど、色々な場所に行き、色々な人に会い、
色々な本や映画を観ていれば、変わると思うのです。
自分が立っているのは、
直径1M未満の小さな所でしかないのです。
私が年を重ねて良かったと思うのは、
小さな世界で負けず嫌いになって釈迦利器にならない様に、
徐々に自分をコントロール出来るようになったことです。


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