杉浦秀子さんが掘り起こしてくれる
日常に埋もれた美のヒント

第153回
上海の女の子の効能

上海に行ってきました。
旅行会社のオプションツアーを選択しながらの旅。
豫園などの観光スポットと同時に、
中国茶、博物館と思われる箇所、絹工場などの
見学も有りました。
ところが、最初は純情な旅行者だった私も、
このオプションツアーがぼられツアーだと
ようやく気が付き始めました。
特に絹工場の見学はすごく、蚕から絹に到るまでの説明の後、
別室に連れて行かれ、布団の営業をあからさまに
受けたときには驚きました。
日本語がぺらぺらな女の子数人で、
殆ど洗脳に近い言葉で営業をされました。
説明のメインの女の子は知的なタイプでしたので、
「ビジネスモード」は仕方がないとしても、
アイドルの様に可愛い女の子が、
「お客さん、これは本当に良い物です。
絶対にお買い得です。買って損は無いよ。
絶対、嘘じゃないよ。一つでもいいから、試しに買って。
お客さん、本当よ。是非、買ってね。」
と四六時中付いて回られれば、げんなりとします。
私はこの時、自分が日本人で、
「謙遜と抑制こそ女性らしさ」
という価値観を持った人間だと始めて知りました。
可愛い女の子は、オトナシイ位が更に可愛さが増すという
イメージが無意識に出来ていたのです。
日本人の女の子で、あそこまでしつこく接客をする人は
まずいないでしょう。

中国人の方が商売上手と聞いていた訳が理解できました。
「儲けて、生き抜いていくわよ」
という力強さが半端では有りません。
私は先ほどのアイドルの様な女の子の洗脳の言葉で、
暫くの間気分が悪くなった程です。
あの言葉のシャワーをかわして、お布団を買わなかったのは
私達のツアーの中で私だけでした。
だって私は上等な羽毛布団が日本に有るのです!
しかも、帰りの上海空港で、
そのお布団の圧縮した荷物を持った日本人を
何人も見かけました。

上海の女の子達はなんと商魂逞しいのでしょう。
ぼやぼやしていたら、日本にも上陸して
日本の女性の仕事も持っていかれてしまうかも。
ハッと目の覚める思いをした上海の女の子達。
日本の女性も世界で生き抜くためには、
人が良いだけでは務まらないかもしれません。


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