人生を楽しみ、豊かにすごすために

第82回
豪邸?否中国人の豪華なお墓が並ぶ街

マニラの大学に奨学金を得て留学したのが、
海外で長期間生活する初めての体験でした。

その際ホームステイしていたのが、
福建省出身の華僑のファミリーで、
3世代が一緒に住む中流階級の大家族でした。

最初に彼らの家に着いたとき、言われたことを、
強烈に覚えています。

「我々のファミリーと、我々が信じていいと言った人間以外
絶対に信用してはいけない!」

「人を疑ってはいけない」と性善説で教育を受けてきた私には、
正反対の世界に来てしまったと感じたものです。

フィリピンの華僑はほとんどが福建省出身で、
経済の重要な部分をほとんど握っています。

ダウンタウンにある中華街は、混沌としており、
私の多くの華僑の友人は、
中華街の中にある一見廃墟のようなアパートに住んでいました。

彼らのアパートに入るときには、
1階のベルを鳴らすと、
上の階のベランダから長いひものついた鍵を投げて来ます。
それでアパート1階の鉄製扉を開けると、
鍵はひもで上に引っ張っていきます。
中にはもうひとつ鉄の扉があり、しばらく待っていると、
彼が1階に降りてきます。

「外の扉を閉めろ!」
外の扉を閉めると、中の扉のまどから、
中にいるのが私だけだとわかると、
やっと中の扉を開けてくれるのです。

大金持ちのはずの彼の家にしては、貧弱なアパートですが、
セキュリティーは万全。
アパートの中は、
広くて立派な部屋になっていたのを覚えています。

「大きな一軒家、豪華なマンションに住むと、
金持ちだと狙われるのが怖い。」

金目当ての誘拐が頻繁におきていました。

あくまで、華僑にとっては住む場所は、仮の棲家なのでしょうか。

しかし、マニラの北にある中国人墓地は
ご覧の写真のように豪華な一軒家の様な建物が並んでいます。
命日には親族が集まって
故人を偲び宴会が行われるのです。

亡くなって初めて立派な一軒家に入れるというのも、
皮肉なことですね。


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2007年6月11日(月)

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