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第109回
まだ残っているカースト制度?

インドはカースト制度が残っているから社会の改革が進まず、
経済成長の阻害要因になっているという議論があります。

拙書「インド株で大儲け!」を執筆するに当たり、
インドに取材に行ったときも、こうした疑問を持っていました。

私がインドで話をした人たちは、
不動産ビジネスを行っている人たち、ITエンジニアの人たちで、
インドではごく一部の人たちであり、
インドのすべてではないのは当然です。

カーストが社会改革を阻んでいる一番の要因は、職業です。
カーストで就ける職業が決まってしまうのです。

ところが、ITエンジニア等
最近になって新たに出来た職業は
当然カーストで規定されていません。
ですから、誰でも職業に就くことが出来ます。

もちろん、学歴が大切なので、
IIT(インド工科大学)や
IISC(インド科学大学院大学)を頂点とする
有名大学を卒業する必要があります。

しかし最低のカーストから
こうした大学に入る人も多く出てきているのです。

バンガロールで会った多くのITエンジニアたちも、異口同音に、

「同僚がどのカーストに属しているか知らないし、
知りたいという興味も持っていない」
と言っていました。

それでは、カーストはどういうときに壁となるか?というと、
「結婚」の時に、問題になるのだそうです。
同じカースト同士でないと、結婚できないという風習。

確かに、日曜日の新聞を見ると、何ページにもわたって、
同じカースト内で結婚相手を探す
「結婚相手求む」の欄があるほどです。

一方、インドの映画で、
カースト最下層出身ではあるが、
IITを卒業してトップIT企業に勤める将来有望な男性と、
カースト上位の貴族出身ではあるが
経済的に落ちぶれた家庭の女性が恋に落ちるが、
家族から反対されるが、最後は結婚して幸せにくらす。
といったストーリーの話で大ヒットになったそうで、
そういう話を聞くと、
インドのカースト制度も
けっこう速いスピードで変わりつつあるなーと思っています。


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2007年8月20日(月)

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