やがて本気で好きになります

第2回
ジャズの魅力ってなんだろう?

ジャズの魅力は、それこそ数え切れないほどあります。
おそらく、10人いれば10通りの答えが返ってくることでしょう。

しかし、これだけは確実にいえると思います。

「何度聴いても飽きない魅力がある」。

これに異論をはさむ人はいないでしょう。

前回、ジャズは「一生かけて付き合える音楽」と書きました。
実際、そうなのです。

面白いことに、100回聴いたアルバムを、101回目に聴いても、
新鮮さを失わない何かがある。
どこかしら自分にとって新しい「発見」と「興奮」があるのです。

これは、名作と称される文学作品にも
同じことが言えるのではないでしょうか?
たとえば、夏目漱石の『坊ちゃん』。
中学生のときに国語の授業で読まされましたよね?
その時のあなたの感想はどうでしたか?
主人公の強烈な個性や、痛快なラストなど、
キャラクターやストーリー展開の面白さを感じたと思います。

大人になって読み返した方もいると思いますが、
10年後、20年後に読む『坊ちゃん』の感触は、
中学時代に感じたものとは違っているはずです。
人物、ストーリー以外にも、
作者の夏目漱石の人間観や、快活でいながらも細やかな人物描写。
それに当時の風俗、習慣などにも目がいくかもしれませんね。

これと同じように、ジャズにも観賞のたびに、
こちらの感性の「受信感度」に合わせて、
いかようにもカタチを変える懐の深さがあります。

これが流行歌ならば、
たまに耳にして「懐かしいね」で終わってしまうところなのですが、
優れたジャズの演奏は、何度聴いても、必ずどこか「新しい」。
これが、ジャズの不思議さであり、面白さなのです。

最後に、私がジャズにのめりこんで以来、
繰り返し聴き続けているアルバムを1枚紹介しましょう。
バド・パウエルというピアニストの
『ジャズ・ジャイアント』というアルバムです。

最初は驚きと興奮を感じていました。
しかし今では、あまりの表現の奥深さに恐怖し、
あまりに無垢な音世界を前に頭の中が空っぽになってしまいます。

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バド・パウエル
『ジャズ・ジャイアント』
(Verve)
1.Tempus Fugit
2.Celia
3.Cherokee
4.I'll Keep Loving You
5.Strictly Confidential
6.All God's Chillun Got Rhythm
7.So Sorry, Please
8.Get Happy
9.Sometimes I'm Happy
10.Sweet Georgia Brown
11.Yesterdays
12.April in Paris
13.Body and Soul

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2005年8月24日(水)

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